新派の有名な演目、
「婦系図(おんなけいず)」。
令和6年10月
歌舞伎座において、
歌舞伎公演として
上演されました。
配信にて視聴しました。
<あらすじ>
ドイツ語学者の早瀬主税(ちから)は、
元は柳橋芸者のお蔦と人目を忍んで世帯
をもっています。
恩義ある師の酒井俊蔵にも内証にして
いたお蔦との仲。
ところが、雨模様の本郷薬師の縁日で
騒動を物陰からうかがっていたところを
酒井に見咎められると、柳橋柏屋の
奥座敷で主税は激しく詰問されます。
芸妓の小芳がとりなすのも聞かず、
酒井は主税に「俺を棄てるか、
婦(おんな)を棄てるか」と迫ります。
掏摸(すり)を働く少年から学者に
育て上げてもらった恩義を感じ、
「婦を棄てます」と答えますが…。
月明かりの美しい晩、別れ話を切り出す
決意を固めた主税は、お蔦を湯島天神へ
と誘います。
(歌舞伎公式情報サイト
「歌舞伎美人」より)
原作は泉鏡花。
特によく知られた
「湯島境内」の場面。
別れを切り出す主税の切なさ…
「月は晴れても心は闇だ。」
他の世界をあまり知らない
お蔦の一途さ哀れさ…
「切れるの別れるのって
そんなことはね、
芸者の時に言うことよ。
今の私には
死ねと言ってください。」
(まだまだ個人より、
面目や義理などというものが
重要だった時代背景を考慮して
見る必要はありそうです。)