スーパー歌舞伎

三代猿之助四十八撰の内

 ヤマトタケル

第一幕



大和の国-聖宮
~大碓命の家~元の聖宮
~明石の浜
~熊襲の国-タケルの新宮

主な配役

小碓命(おうすのみこと)

 後にヤマトタケル

大碓命(おおうすのみこと)

…市川團子


兄橘姫(えたちばなひめ)

弟橘姫(おとたちばなひめ)

…中村米吉


帝…市川中車


皇后…市川門之助


老大臣…市川寿猿


倭姫…市川笑三郎


熊襲兄タケル…市川猿弥


熊襲弟タケル…中村歌之助




心優しい小碓命と、

反逆をたくらむ大碓命は

双子の兄弟。


まっすぐな小碓命は、

團子さんそのもののようです。



どろどろした心の大碓命を

早替りで演じ、意外にも

この悪い役も良かったです。


二役の演じ分けが、

きっぱりとしていました。



物静かで芯の強そうな兄橘姫。

まだ世間を知らず、

初々しい弟橘姫。



米吉さんの二役の演じ分けも
素晴らしいですし、
何より輝くばかりの美しさ。


小碓命は父帝に命ぜられて、
熊襲(くまそ)を征伐に…

熊襲タケル兄弟の館は
賑やかな宴の最中。
多くの出演者による群衆劇。
(スーパー歌舞伎ならではの
楽しさです。)

女装した小碓命が舞い、
油断した熊襲タケル兄弟を、
宴の最高潮の中で
討ち果たします。

大和に従わない
熊襲が悪なのか…

熊襲から見れば
大和はただの侵略者…

死に際の熊襲弟タケルは
小碓命に「タケル」の名を授け、
小碓命は以後、ヤマトタケルと
名乗ることになります。