現・国立劇場の最後を飾る

歌舞伎公演。

 

9月、10月と続けて、

「妹背山婦女庭訓

(いもせやまおんなていきん)」が、

上演されます。

 

9月の公演、観劇しました。

 

 

9月は、「吉野川」を中心とした場。

久我之助と雛鳥、

若い二人の悲恋が描かれます。

 

 

〈あらすじ〉

    

 

紀伊国を領する大判事家と

大和国を領する太宰家とは、

吉野川をはさんで両岸に位置しています。

 

それぞれの息子久我之助と息女雛鳥は、

相思相愛の仲ですが、

親の不仲ゆえ会うことがかないません。

 

そのような中、蘇我入鹿から、

大判事清澄は、久我之助を出仕させるよう、

また太宰の未亡人定高は

雛鳥を妾に差し出すよう、

それが聞き入れられない時は

首を打てと命じられ、それぞれ帰宅します。

 

大判事と定高は、

不和の仲ではありましたが、

互いに我が子を犠牲にして

相手の子供だけは助けようとの

心づもりでいます。

 

そして大判事と定高は、

互いに申し合わせていた合図を

偽って送りますが⋅⋅⋅。

 

〈歌舞伎公式総合サイト

      「歌舞伎美人」より〉

 

 

「大化改新」を題材とした演目。

 

敵対する両家の娘と息子が恋に落ち、

命を失うという、

「ロミオとジュリエット」

を思わせる物語です。

 

 

〈配役〉

 

 

 
2時間近い長丁場、
また、難役である
大判事と定高ができる役者が
揃わないと上演が難しい演目です。
 
パンフレットの時蔵丈の言葉によれば、
「絶滅危惧種のような演目」。
 
役者さん自身も
そのような危機感を
持たれているのだな…と。
 
 
国立劇場ではこのような演目を
学術研究的な意味合いから、
上演できることも強み。