歌舞伎演目の紅葉狩。

複数あります。


いずれも能の「紅葉狩」を

原典としており、

ストーリーはほぼ同じですが、

演出が異なります。



・・〈物語〉・・・・・・・・・・・・


紅葉に装う戸隠山を訪れた平維茂。

高貴な女性一行から酒宴に誘われ、

舞を見るうちに、

酔いが回り眠ってしまいます。


維茂を残し、急ぎ立ち去る女性たち。


維茂の夢に山の神が現れ、

先ほどの女性たちは鬼女とのお告げ。

そして神剣を授けます。


目を覚ました平維茂に、

恐ろしい鬼女が襲いかかります。


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歌舞伎の紅葉狩3種。



新歌舞伎十八番「紅葉狩」

明治20年初演。河竹黙阿弥作。

音曲は常磐津、義太夫、長唄の

三方掛け合い。





「鬼揃紅葉狩」

昭和35年初演。萩原雪夫作。

音曲は常磐津、長唄。


三代目市川猿之助が工夫を加え、

平成6年に上演されました。

そのときに、音曲に

義太夫が加えられたそう。


現在では

「三代猿之助四十八撰」に

加えられています。



今年10月の歌舞伎座で、
当代の市川猿之助により上演。
(配信で視聴予定です)




「信濃路紅葉鬼揃」

平成19年、坂東玉三郎により初演。

音曲は義太夫、長唄。

この演目は、初演のときに観ました。
①の紅葉狩だと思っていたところ、
幕が開くと雰囲気が異なっていたので、
驚きました。

玉三郎丈の美学の現れた舞台。


写真は当時の筋書より。


信濃路紅葉鬼揃