八月納涼歌舞伎「浮世風呂」。
配信にて視聴。
 
20分ほどの小品舞踊です。
第二部にて上演されました。


江戸の銭湯、屋号は「喜のし湯」。
(市川猿之助家の姓は 「喜熨斗」。)
 
そこで「三助」として働く政吉。
 
三助とは風呂を沸かし、
番台に立ち、
掃除や片付け雑用全般の他に、
客に請われれば、
背中を流したりのサービスも
行ったようです。
 

今朝も鶏の声と共に目覚め、
かいがいしく働く政吉。
 
そんな政吉の元に
やって来たのが女姿のなめくじ。
 
流しの隅から政吉のことを見初め、
思いを遂げようと
あれこれとかき口説きますが、
塩を撒かれて消えてしまいます。
 


 
この後は政吉一人の踊り。
体ひとつで
様々な人物になりきり、
踊り抜きます。
 
佐渡おけさ、「将門」の滝夜叉姫、
忠臣蔵五段目のおかるの父と定九郎。
那須与一の扇の的、
かっぽれ、金毘羅船々、
「十種香」の八重垣姫…等々。
 
 
やがてやって来た
屈強な男たちを相手に、
華やかな立廻り(たちまわり)を
繰り広げ、
積み上げた桶の上に登り
幕となります。
 
 
常磐津「浮世風呂」、
常磐津松希太夫。

演奏の音声のみですが、
概要欄に歌詞が明記されています。


今回の配役。


團子さんの「なめくじ」。
清新な女方姿です。
政吉に言い寄るなまめかしさなどは
控えめかもしれません。
(代役の笑野さんは、かなり色っぽく
演じたのではと思います。)

團子さんは
この8月の納涼歌舞伎で、
初めての女方をつとめました。
このなめくじと、
「弥次喜多」のお夏の二役。

身長がかなり高いので、
猿之助丈よりも
小さく見せるのに苦労されたとか。

今後、猿之助丈のもとで
どんな役柄を演じていくのか楽しみ。


猿之助丈の政吉。
あっさり、さらさらと
踊っているように見えます。

20分ちょっとの上演中
休むところはほぼなく踊り続け、
実際はなかなか⋅⋅⋅な踊りでしょうが、
そうは見せません。

衣裳は身軽で、脚のラインなど丸見え。
湯屋で働くという人の
清潔感と言うのか、こざっぱりした
爽やかな雰囲気も感じられました。