歌舞伎の大岡越前も、
当然この紋をつけています。
右:2022年歌舞伎座、
尾上松緑丈の大岡越前守。
歌舞伎で大岡越前の物語は、
近年では上記の他に、
2015年と2001年に上演。
その前は1970年代なので、
比較的上演がまれな演目のようです。
私も今回、2022年4月歌舞伎座のものを、
「歌舞伎オンデマンド」で視聴したのが初めて。
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本編に先立ち、イヤホンガイド解説者の
三浦広平氏による、Web講座を視聴。
大岡越前とは、
徳川吉宗の右腕として活躍した
奉行、大岡忠相。
勧善懲悪の裁きにより、
市井の人々からの人気が高かったそう。
その大岡裁きは、
事実やフィクションを取り混ぜて、
講談や歌舞伎で取り上げられました。
一方、天一坊は吉宗のご落胤と自称し、
浪人を集めていたことから、
幕府転覆の恐れありと
大事件になった人物。
天一坊と大岡越前を結び付けて
講談の種にしたのが、
初代神田伯山。
そして歌舞伎の作者は河竹黙阿弥。
黙阿弥の作った天一坊は、2つあるそう。
ひとつは江戸安政年間に作ったもの。
幕府に対して遠慮があり、
「天一坊」を「天日坊」とし、
時代背景も変えています。
シアターコクーンで
中村屋を中心に上演されたのは、
この作品によるものだそう。
一方、明治年間に作られた作品は、
史実を重んじる風潮から、
主人公の名は、そのまま「天一坊」。
近年上演されるのは、
こちらを元にした脚本のようです。
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「大岡越前」と言えば、
ある年齢以上の方には、
時代劇の主人公として名高いです。
講座でも三浦さんが言っていましたが、
「水戸黄門」が放映されていない時期は
「大岡越前」を放映、
そうだった…と懐かしく思い出しました。
当時の大岡越前守は、加藤剛さん。
しかし内容がちょっと難しく、
渋めの作りだったので、
当時小学生くらいの私には厳しいものでした。