歌舞伎座三月大歌舞伎、
「新・三国志」視聴。

「新・三国志」は、三代目市川猿之助による、
スーパー歌舞伎の演目。
初演は1999(平成11)年で、
その後再演もされました。
今回は当代市川猿之助による上演。
スーパー歌舞伎と銘打ってはいませんが、
当時の脚本を踏襲したもの。
昨今の上演時間の制限により、
元々4時間以上のものを、
2時間余りに削った脚本なのだそう。
配役は以下の通り。
猿之助一門に、市川門之助。
尾上右近、中村福之助らの若手。
スーパー歌舞伎ではお馴染みの、
石橋正次、浅野和之らの俳優。
脚本、演出の横内謙介氏が主宰する、
「扉座」の俳優たちも加わっています。

中国明代、羅貫中が書いた
「三国志演義」を元にしたストーリー。
序幕では、羅貫中の子孫だという、
羅昆中(昆虫?)に扮した市川中車さんが、
ここに至るまでの乱世の様子を語ります。
それとともに、
京劇のような仮面をつけた役者たちが、
コミカルに演じます。
「新・三国志」初演のときには
京劇の俳優たちが参加したとのこと。
それに対するオマージュのようでした。
当時中国大陸を割拠していた
魏・呉・蜀の三国。
蜀の劉備の元に集った関羽、張飛。
そして魏の曹操、呉の孫権らの物語です。
劉備の笑也さんの凛とした存在感。
思い願う国作りに一筋ですが、
関羽にだけは見せる、心の奥。
笑也さんの演じるこのヒロイン、
いやヒーローなくしては
この世界観は語れないと感じました。
スーパー歌舞伎らしく、
次々と場面転換していきます。
クライマックスの連続の舞台でした。