私の初歌舞伎は1988年6月、
演目は新作歌舞伎と舞踊でした。
2度目の歌舞伎は同じ年の9月、
中村吉右衛門丈の「熊谷陣屋」でした。
初めて見る時代物、
吉右衛門丈の大きな存在感に
くぎ付けになりました。
当時吉右衛門丈は40代半ば、
今思えばまだまだ若かったですが、
熟練した芸でした。
相手役の女方は、歌右衛門、
先代雀右衛門、先代芝翫
といったそうそうたる顔ぶれ。
これらの方たちの間で演じてきたことが、
吉右衛門丈の強みであったと思います。
お亡くなりになったことの
実感がまだ湧かないのですが、
多分この2年間、私が
観劇から離れていることも
影響しているのかと思います。
観たもののうち、
記録に残したものを書き留めておきます。
(1988年~1997年頃まで)
この頃は、時代劇「鬼平犯科帳」が始まり、
そちらの撮影もこなしながらの
舞台だったと思います。
〈時代物〉
「一谷嫩軍記ー陣門・組討、熊谷陣屋」
熊谷直実
「盛綱陣屋」和田兵衛
「伽羅先代萩」仁木弾正
「寺子屋」武部源蔵
「一条大蔵譚」一条大蔵卿
「金閣寺」佐藤正清
「新薄雪物語」葛城民部
「四十七刻忠箭計」大星由良之助
「平家女御島」俊寛、清盛
「博多小女郎浪枕」毛剃九右衛門
「伊賀越道中双六ー沼津」十兵衛
「双蝶々曲輪日記ー角力場、引窓」
濡髪長五郎
「寿曽我対面」小林朝比奈
〈世話物〉
「人情噺文七元結」長兵衛
「三人吉三」お坊吉三
「雪暮夜入谷畦道」直次郎
「隅田川続俤」法界坊
〈新歌舞伎〉
「天保遊侠録」小吉
「一本刀土俵入」駒形茂兵衛
「将軍頼家」畠山重保
「元禄忠臣蔵ー大石最後の一日」
大石内蔵助
〈舞踊〉
「吉野山」逸見藤太
「勧進帳」富樫左衛門、武蔵坊弁慶
「かさね」与右衛門
「素襖落」太郎冠者
(写真は当時のチラシや筋書より。)