公開:1952年
監督:溝口健二
昭和を代表する大女優、田中絹代。
名前は知っていましたが、
映画を見るのは初めて。
御所の女官、大名家の側室、京島原の遊女、
商家の女中、商人の妻、
そして物乞い、夜鷹、巡礼の尼僧⋅⋅⋅と、
流転の人生を送る主人公お春。
井原西鶴の「好色一代女」を
もとにした物語だそう。
転々と変わる身の上⋅⋅⋅
あり得ないと思ってしまい、
ストーリー自体は
共感できないところもありました。
しかし、場面ごとに
その身の上の女性を鮮やかに演じ、
目が離せません。
男性中心の封建的な社会の中で
流されていくように見えながら、
実は自分自身の振る舞いで、
運命を選び取っていきます。