歌舞伎座五月大歌舞伎、
「春興鏡獅子」。
歌舞伎オンデマンドで視聴。
尾上菊之助丈の鏡獅子。
歌舞伎役者さんの踊りを評するときに、
踊りの技術や踊りへの思い入れ、
気力体力といった要素と、
年齢とのバランスが重要です。
菊之助丈は初演の18歳の時から
何度となくこの鏡獅子を踊り、
今、最高の時を迎えつつあるようです。
インタビューより
「『鏡獅子』は九代目(市川)團十郎さんがおつくりになり、
曽祖父の六代目(尾上)菊五郎がその教えを受け、
祖父(七代目尾上梅幸)、父(菊五郎)と受け継がれてきた
大切な演目です。お客様に楽しんでいただくことはもちろん、
この演目を磨き上げてくださってきた先輩方に感謝を込めて、
ひと振りひと振り大切に勤めています。コロナ禍の経験を通して、
伝統を絶やしてはいけないという思いはさらに強くなりました」
代々受け継がれてきた演目を、
次の世代へ受け渡す
大切な役目も担っています。
今回の胡蝶の精は、
子息尾上丑之助と坂東亀三郎。
まだ小学校低学年の彼ら、
大きな舞台の上で、
とても端正な踊りでした。
どれだけの厳しさと温かさをもって、
この踊りを受け継いだのかと、
胸が熱くなります。