歌舞伎オンデマンドにて視聴。

平成31(2019)年1月、歌舞伎座の公演より。
この公演、夜の部は観に行ってはいませんが、
お正月の特別番組で生中継されていたのを、
リアルタイムで見ていました。
もう2年が過ぎてしまったのか⋅⋅⋅
コロナ禍で、劇場から足が遠のき久しいです。
〈あらすじ〉
本郷駒込の吉祥院へ、
「紅長」の愛称で親しまれている
ひょうきん者の紅屋長兵衛、
八百屋の娘お七たちが逃れてきます。
小姓吉三郎に心を寄せるお七が、
その恋がかなわないことを知り
悲しみに暮れているので、
紅長はお七の機嫌をとり慰めます。
しばらくあとの冬の夜。
お七は吉三郎のもとへと急ぎますが、
すでに町の木戸は閉じられています。
木戸を開くためには、
火の見櫓の太鼓を叩かなければなりませんが、
厳罰に処されてしまいます。
それでも吉三郎に会いたい一心のお七は…。
お七と吉三郎の恋物語に加え、
紅長がお七の恋に手を貸そうと
面白おかしく活躍する
歌舞伎には珍しい笑劇と、
櫓のお七の人形振りがみどころの
趣向あふれる舞台。
〈歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人」より〉
まずは前半、「吉祥院お土砂の場」。
紅屋長兵衛⋅⋅⋅「紅長(べんちょう)」
とあだ名される、おもしろいおじさん。
自分を慕うお七がかわいくて、
吉三郎との恋に肩入れします。
猿之助丈には珍しい役柄、
さらりと演じていました。
見所は、「お土砂」。
「お土砂」とは
密教の加持祈祷に使う、
洗い清めた砂のこと。
これを掛ければ、
硬直した遺体ですら和らぐというもの。
一般的に
「お土砂を掛ける」と言う慣用句は、
相手の態度を和らげるために、
お世辞やおべっかを言うことですが⋅⋅⋅
劇中では、紅長が
本当にお土砂を掛けたからさあ大変。
登場人物だけでなく、
附け打ちさんまでくにゃくにゃに
倒れてしまいます。
前半はこのような、笑劇ですが、
後半は、「櫓のお七」。
一転して悲劇に変わります⋅⋅⋅。