顔見世大歌舞伎
「蜘蛛の絲宿直噺(くものいとおよづめばなし)」、
視聴。


市川猿之助丈による、
5役早替わりの変化舞踊。

女童(廓の禿)、小姓、番頭新造、太鼓持。

源頼光を守る家来たちに怪しまれながらも、
姿を変えつつ頼光の元に忍び寄ります。

頼光の元に、傾城薄雲が現れ、
久々の逢瀬を楽しみますが、
その正体は蜘蛛の精。


5役の中で、猿之助の持ち味が
もっとも生きるのは、番頭新造。

きりっと小粋な廓の女性です。

踊りとしては太鼓持。
笑也、笑三郎と三人での手踊りでは、
わくわくしました。

配役。
このメンバーは、
「新版オグリ」の皆さんです。


この演目、
「蜘蛛の絲宿直噺(くものいとおよづめばなし)」は、
「蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)」として
上演されることが多いようです。

上演の都度、また役者によって
登場人物や役名が変わったりしますが、
構成は ほぼ一緒のようです。

常磐津、長唄掛け合いの歌詞は、
どう違うのか、よくわかりませんが⋅⋅⋅


「蜘蛛絲梓弦」は、
近年では片岡愛之助丈が、
過去には扇雀、鴈治郎時代の坂田藤十郎丈が
よく上演していました。

では今回の、
「蜘蛛の絲宿直噺」は、と言うと、
先代市川猿之助丈が
繰り返し上演していました。

当代猿之助丈はこれまで、
「蜘蛛絲梓弦」として何度も上演していますが、
今回は初めて、
「蜘蛛の絲宿直噺」として上演したそう。

叔父である三代目にならい、
おもだか屋の伝統を復活した
ということでしょうか。