坂田藤十郎丈が11月12日に、
88才で御逝去されました。
最後の舞台に立たれたのは、
昨年12月の京都顔見世。
孫の中村壱太郎さんが
女方の大役雪姫を演じる、
「金閣寺」にて、
慶寿院尼のお役で出演。
私が最後に拝見したのは、
昨年4月でした。
米寿記念の舞踊。
藤十郎丈は近年は、
上方歌舞伎の重鎮として、
各お家の襲名披露公演などで
口上を述べられる姿が印象的でした。
上方に籍を置く役者として、
東京以外の劇場での出演も
多かったようです。
そんなこともあり、
近年私が拝見したお役は、
それほど多くはありません。
まとめておきます。
2013(平成25)年、
歌舞伎座新開場一周年の
「鳳凰祭四月大歌舞伎」では、
生涯の当たり役である
「曽根崎心中」のお初を。
その前月の「鳳凰祭三月大歌舞伎」では、
やはり当たり役の
「封印切」の忠兵衛を演じました。
⋅⋅⋅いずれも、
御年八十歳を過ぎているとは思えない
若々しさでした。
その年のお正月には、
「仮名手本忠臣蔵ー山科閑居」の戸無瀬。
女方として重く、格のある役。
2010年(平成22)11月、国立劇場にて、
「国性爺合戦」の錦祥女。
唐風の衣装がふくよかなお顔に、
映えていました。