スーパー歌舞伎Ⅱ「新版オグリ」。
「歓喜の舞」、
あるときには寂しく、
あるときには甘く切なく、
あるときには壮大なあのメロディが、
耳から離れません。
3月に南座で上演予定だった舞台収録映像。
先日の日曜日まででしたが、
YouTubeにて配信されていました。
観劇予定のなかった南座バージョン。
無観客の舞台映像とはいえ、
間近で見ることができました。
私が実際に観劇した
新橋演舞場での上演と、
今回の配役の違い。
役者が交代した役、
新たに作られた役。
ここには載らない名題役者さん、
名題下の役者さんの配役も
気になるところでした。
照手姫の新悟さん。
古典作品では
少し寂しげに見えることもある
風情、面差しですが、
この照手姫では、
優しさ、気高さ、芯の強さを感じました。
猿之助さんオグリバージョンと、
隼人さんオグリバージョンを
見比べることができました。
同じ場面、台詞なのに
役者さんの持ち味で、
印象が異なるもの。
猿之助オグリは、餓鬼病の姿の苦悩が色濃い。
年齢的なものだけでなく、
ご本人の重傷からの生還の体験も
少なからず影響しているのでは⋅⋅⋅
隼人オグリは、とにかく圧倒的なスター性。
持ち味を生かし輝かせたのは、
やはり猿之助さんの功績か。
特に照手姫とオグリとの関係性が、
オグリの役者によって
微妙に異なって感じたのは興味深いこと。
無観客の舞台に向かって
真摯に演じてくれた役者の皆さん、
配信に踏み切ってくださった関係の方々に
改めて感謝です。