松竹歌舞伎会の要件を満たしたようで、
来年は特別会員なのだそう。

今年は観劇回数、
そんなに多いとは思いませんでした。
初めてのことです。

記念品の手帳をいただきました。

今年の歌舞伎を振り返って。
思うことを⋅⋅⋅

御曹司の子役たち
5月には、
尾上丑之助の初舞台がありました。
その後も積極的に舞台に出ています。

今年の歌舞伎の舞台、
子役(役者の子息)の登場は
なかなか盛りだくさんでした。

2月「義経千本桜ーすし屋」
六代君⋅⋅⋅坂東亀三郎

3月「盛綱陣屋」
小四郎⋅⋅⋅中村勘太郎、小三郎⋅⋅⋅寺嶋眞秀

4月「実盛物語」
太郎吉⋅⋅⋅寺嶋眞秀

5月「神明恵和合取組」
又八⋅⋅⋅坂東亀三郎
「絵本牛若丸」
牛若丸⋅⋅⋅尾上丑之助(初舞台)

7月「外郎売」
堀越勸玄

8月「伽羅先代萩」
千松⋅⋅⋅中村勘太郎、鶴千代⋅⋅⋅中村長三郎

9月「寺子屋」
菅秀才⋅⋅⋅尾上丑之助

10月「江戸育お祭佐七」
踊りの勘平⋅⋅⋅寺嶋眞秀
踊りのお軽⋅⋅⋅坂東亀三郎

11月「髪結新三」
丁稚長松⋅⋅⋅尾上丑之助

10、11月「新版オグリ」
金坊⋅⋅⋅市川右近

来年は、十三代目市川團十郎襲名に伴い、
子息堀越勸玄の新之助としての初舞台もあります。


上演形態の試み
歌舞伎座の公演では近年、
ダブルキャストやトリプルキャストの
上演形態が目新しいです。

今年は、3月の「弁天小僧」と「雷船頭」を
幸四郎、猿之助のダブルキャスト。

9月の「勧進帳」弁慶を
仁左衛門、幸四郎のダブルキャスト。

12月の「阿古屋」を、玉三郎、梅枝、児太郎の
トリプルキャストで上演されました。 

役者さんたちの負担を軽減することに
繋がるのかどうかは未知数です。
しかし、観客側からすれば、
同じ演目を見比べる楽しみがあります。


役者の負担軽減に関しては、
海老蔵丈の公演では、
休演日が設けられているようです。

感動を与える舞台を作り上げるため、
裏側で努力をなされているのでしょうが、
あまりに多くの負担が掛からないような
システムができるよう望みます。


ちなみに今年は7月に海老蔵丈の休演、
9月に吉右衛門丈の休演、
12月には菊之助丈の怪我、
と気になることがありました。

10月の台風襲来に備え、
歌舞伎座と新橋演舞場で
休演の措置が取られたのは、
初めてのことだそうです。



心に残る舞台
菊之助丈の「京鹿子娘道成寺」。
道行から鐘入りまでの丁寧な上演。
折り目正しい中に、
ふっと遊び心のある踊り。

大輪の花の蕾が開くのを
見届けた思いでした。
この日は
子息丑之助初舞台初日でした。


猿之助丈の「かさね」。
心を寄せる相手与右衛門への思いを、
濃密に表現し、
見ているこちらも胸が苦しくなるほど。
一転、裏切られたと知っての恨みは
思いきって激しく。

各地を巡業して、
この日は越谷市での公演。
客席と舞台の熱気が、
ひとつになっていたように感じました。



歌舞伎以外の観劇記録
初、新派観劇でした。
「京都都大路謎の花くらべ」、
山村美紗原作の肩の凝らないサスペンスでした。
喜多村緑郎さん、河合雪之丞さんが、
それぞれの役を得て生き生きと。
存在感のある、波乃久里子さん。


第2回目の今年、
時間の都合がつき見に行くことができました。

(前売り券を、役者さんと
SNS上でやり取りして購入というのが
ハードルが高かったです。
当日券が残っており、入場できました。)

衣裳を着けず、化粧をしない素踊り、
舞台も屏風が一面というシンプルな中で、
役者さんの個性が引き立ちました。


坂東彌風さんの「玉屋」。
江戸の街角で、
子どもを相手にしゃぼん玉を商う姿。
子どもでなくても
付いて行きたくなるような愛敬。
この舞踊は、なかなか難しい
小道具の扱いもありました。
(両手に持った竹筒の先から、
蝶々が飛び出すもの。)

坂東彌紋さん。
普段の舞台ではよく、
ねずみや犬の着ぐるみに入っている方。
「端午」という長唄舞踊を、
きっちり、すっきりと
踊っていらっしゃいました。

坂東彌光さん。
この方は、初めてお名前を聞きました。
歌舞伎の研修生を終了し、
この春入門されたばかりだそう。
しかし、体幹のしっかりした
風格さえ感じる踊りに驚き。
まだ10代と聞いてさらにびっくり。

市川三四助さん。
この方もまだあどけなさの残る
10代の役者さん。
「八島官女」では、気品のある官女が、
身分を隠して汐汲みをする姿を踊ります。
手足の動き、小道具の扱いなど、
細やかさを感じました。

市川翔三さん。
この方も10代。
「越後獅子」を踊られました。
身長が高く、
バランスを取るのが難しいようですが
ひとつひとつの振りを
丁寧に踊っていました。

市川翔乃亮さん。
「義士餅」という、
忠臣蔵がテーマの舞踊。
老若男女の登場人物の姿を
描き出していました。

市川右田六さん。
衣裳を着けず、袴姿の「操り三番」。
迫力がありました。

他に市川猿くんの「おせん」。
市川瀧昇さんの「藤娘」。
市川喜楽さんの「賤の小田巻」。
市川郁治郎さんの「供奴」。
市川笑猿さんの「北州」。
いずれも、それぞれの持ち味を堪能しました。


こういう舞台で見た役者さんたちは、
歌舞伎の本舞台でもどこに出ていらっしゃるか
探してしまいます。

よく「いくつ目があっても足りない」
などと言いますが、実感しています。


⋅⋅⋅今年の観劇について、
思うところを書いていたら長くなりました。
ここまでです。