「新版オグリ」観劇の備忘録、人物編。
私の観劇日は、小栗判官は中村隼人。
隼人さん主役を見るのは初めて。
所作も、台詞も颯爽と。
熊野湯の峰の岩の上での、
長い述懐の台詞。
ここはメッセージ性の強い
スーパー歌舞伎の独壇場といったところ。
しみじみと、心に訴えてきます。
猿之助さんはどう演じたのだろう⋅⋅⋅
やっぱり猿之助主演バージョンも
見ておきたかった。
リピーターの方の気持ちが分かります。

照手姫の坂東新悟。
古典での新悟さんは、
どちらかというと
かっちりとした固いイメージ。
しかし、この照手姫は
ふんわりと優しい雰囲気をまとっていました。
健気さ一途さには涙が出ます。
おおらかさ、明るさも感じました。
小栗衆6人。
一郎は市村竹松。
二郎は市川男寅。
歌舞伎ではまだ、並びの侍などが多く、
こんなに動きや台詞のある役を見るのは初めて。
それぞれの得難い個性を大切にしてほしい。
三郎は市川笑也さん。
先代猿之助のオグリでの照手姫はこの方。
お姫様の似合う風情ですが、
今回は素顔に近い化粧でドキッとしました。
しかしこの三郎は、
男性の心を持つ女性という設定。
四郎は中村福之助。
赤っ面で勇ましい雰囲気。
五郎は市川猿弥さん。
もったいないくらいの貫禄。
六郎は中村玉太郎。
「蘭平物狂」の
梯子を使った大立ち回りを熱演。
これはなかなかできない挑戦でしょう。
笑也さん、猿弥さんは二役で
翁を襲う山賊を演じていたようですが、
このお二人だとは全く気づきませんでした。
近江屋の面々。
段之さんの白髪の女郎。
笑野さん猿紫さんのコンビ。
ガングロ女郎(!)は誰?
歌舞伎外の俳優さんも
女郎に扮していたようですが、
どれがどなたか分からなかった⋅⋅⋅
とにかく、2役、3役、
それ以上をこなしている役者さんもいて、
プログラムを確認したいのだけれど、
客席が暗くて全く見えません。
(歌舞伎は客席が明るいことがほとんどです。)
噂好き、スマホやタブレットを片手に
浜辺をウロウロ。
カメ婆の寿猿さんの台詞。
「男はいくつになっても
若い女性が好きなのよ!」
卒寿を迎えてまだまだお元気な寿猿さんに
この台詞を言わせたのは、
猿之助さんの差し金でしょう。
金坊、照手姫と共に、
餓鬼病の小車を引きます。
配役について、チラシやHPでは、
「市川右近(交互出演)」としか情報がなく
気になっていました。
なので、チラシには
名前や写真は載らないのです。
名題下の役者さんと言えば、
8月の「ひとつなぎの会」で、
熱のこもった踊りを見せてくれた皆さんたち⋅⋅⋅
坂東彌風さんは、横山の家臣、
もろこしが浦で照手姫を連れていく手下で
見かけました。他にも出ていたはず。
市川翔之亮さんは婆さん。
市川翔三さんもどこかに出ていたはず。
市川笑猿さん、
市川三四助さんはちょっと分からなかった。
市川瀧昇さんは
近江屋の男衆で見つけました。
卯瀧さんも同じ場面で。
パンフレットの顔写真。
歌舞伎公演の筋書では、
かしこまった写真を見慣れています。
また、何十年も
写真を変えていない方もいるので、
この写真は貴重。