先日視聴したこちらの映像。

坂東八重之助さんは、
菊五郎劇団の立師として活躍した方、
ということは知っていました。

後進の指導に力を尽くし、
いろいろな役者さんの芸談に登場します。


その、八重之助さんを追った
ドキュメンタリー番組。
昭和38年制作、
モノクロ映像です。


八重之助さんは
職人気質で寡黙な人なのかと
何となくそんなイメージを持っていましたが、
全く逆でした。

明るくはきはきした口調で、
言葉を選びながら
当時の歌舞伎界の状況や、
自分の役割、立場についてお話しされています。

撮影されてからすでに55年以上、
当人がお亡くなりになってからでも
30年以上経っているのに、
その言葉や周囲への気遣いは、
全く色褪せていません。

撮影当時、50代半ばのようでしたが、
今見ても若々しいです。
数歳年下の、
市村羽左衛門丈や尾上梅幸丈と比べても、
お若く見えます。

現在の市川団蔵丈、当時市川銀之助を
養子にしていたというのは初耳。
一緒に食卓を囲み、
稽古に励む姿は和みます。


この映像、現在YouTubeで見ることができます。
化け猫に翻弄される局の立ち回りは圧巻。



八重之助さんが考案した立ち回りで、
特に有名なもの。
「義経千本桜」の小金吾討死では、
縄を使った立ち回り。

「蘭平物狂」の梯子を使った立ち回り。
(写真は、「歌舞伎 on the  web 」より。)