稚魚の会・歌舞伎会合同公演。



普段は立ち回りでとんぼを切っていたり、
並びの腰元や侍を演じていたり、
師匠の踊りの後見や、
舞台裏の諸々の仕事をしていたり⋅⋅⋅
という皆さんの、晴れの舞台。


演目と配役。

出演者の半数以上の方は、
平成生まれです。

「一條大蔵譚」
人物の線が太く、
見応えがありました。

「棒しばり」
楽しませていただきました。
調子に乗りやすい太郎冠者(橋吾さん)、
困り顔の次郎冠者(松悟さん)のコンビ。
大名の桂太郎さんには、おおらかな味わいが。


「三社祭」
普段、立ち回りで目立っている
やゑ亮さん、音蔵さんの善玉・悪玉。
きびきびした動きは危な気がありません。

「関三奴」
音幸さん、貴緑さんのお二人は、
まだ二十歳そこそこといった年齢。


舞踊の後見は出番が終わった、
あるいは、
これから出番の役者さんが
交代で勤めていました。


「世話情浮名横櫛」
こういった世話物は、
若手の役者さんには難しいのでは、
と思いますが、
お富(好蝶さん)、与三郎(橋三郎さん)、
しっかり見せていました。

和泉屋多左衛門(橋吾さん)の
手強さだけではない温かさも、
印象に残ります。


どれも見ごたえがあって、
演者の底力がうかがえる公演でした。