夏芝居に欠かせない怪談話、続き。
1993(平成5)年。

納涼歌舞伎3年目のこの年から、
三部制が始まったようです。
勘九郎(後の勘三郎)のかさね、
富十郎の与右衛門による
「かさね」が上演されました。
踊り上手なお二人での、
きっちりとした踊り。
幽霊になってからは、
なぜか客席から笑い声も⋅⋅⋅
怖いと笑ってしまう、というのは
あるようです。
「らくだ」は怪談ではありませんが、
らくだの馬さんの死体が出てきます。
死体役は今に至るまで、
片岡亀蔵さんの当たり役。
このときはもうひとつ、
「怪談乳房榎」の再演でした。
「狐狸狐狸ばなし」。
これは幽霊が登場しますが、
にせ幽霊なので、怪談ではありません。
狐と狸の化かし合いのような、
夫婦の話。
「牡丹灯籠」。
カラーン、コローンという
下駄の音とともにやって来る、
美しい娘の幽霊。
牡丹をかたどった灯籠を持ち、
乳母を連れて⋅⋅⋅
このときの公演は見ませんでしたし、
その後も見る縁がなかった演目。
(夜の部で幽霊話を見て、
暗い中を帰るのはちょっと⋅⋅⋅)
そして夏芝居の怪談と言えばやはり、
「東海道四谷怪談」。
納涼歌舞伎でも2000年台になってから、
何度か上演されたようです。
これも夜の部で上演されることが多いので、
縁がありませんでした。
昼間に上演されたコクーン歌舞伎と、
幸四郎さん(当時は染五郎)の国立劇場で
見ることができました。