夏芝居に欠かせない怪談話、続き。

1993(平成5)年。
納涼歌舞伎3年目のこの年から、
三部制が始まったようです。

勘九郎(後の勘三郎)のかさね、
富十郎の与右衛門による
「かさね」が上演されました。
踊り上手なお二人での、
きっちりとした踊り。

幽霊になってからは、
なぜか客席から笑い声も⋅⋅⋅
怖いと笑ってしまう、というのは
あるようです。


「らくだ」は怪談ではありませんが、
らくだの馬さんの死体が出てきます。
死体役は今に至るまで、
片岡亀蔵さんの当たり役。


このときはもうひとつ、
「怪談乳房榎」の再演でした。



1994(平成6)年。

「巷談宵宮雨」
とんでもない生臭坊主の竜達。
金を持っているらしいとにらんで、
甥の太十と妻のおいちは
その身を引き取り、毒殺してしまいます⋅⋅⋅

この演目はこの後、
長く上演されませんでしたが、
昨年(2018年)、芝翫丈が演じました。

端正な、あるいは
豪快な役を演じることが多い芝翫丈が
竜達とは驚きましたが、
役柄を広げるという意欲を感じました。



1996(平成8)年。

「狐狸狐狸ばなし」
これは幽霊が登場しますが、
にせ幽霊なので、怪談ではありません。
狐と狸の化かし合いのような、
夫婦の話。


「牡丹灯籠」
カラーン、コローンという
下駄の音とともにやって来る、
美しい娘の幽霊。
牡丹をかたどった灯籠を持ち、
乳母を連れて⋅⋅⋅

このときの公演は見ませんでしたし、
その後も見る縁がなかった演目。
(夜の部で幽霊話を見て、
暗い中を帰るのはちょっと⋅⋅⋅)


そして夏芝居の怪談と言えばやはり、
「東海道四谷怪談」
納涼歌舞伎でも2000年台になってから、
何度か上演されたようです。

これも夜の部で上演されることが多いので、
縁がありませんでした。
昼間に上演されたコクーン歌舞伎と、
幸四郎さん(当時は染五郎)の国立劇場で
見ることができました。