團菊祭五月大歌舞伎 夜の部観劇 2019.5.3
歌舞伎座夜の部、初日に観劇しました。
尾上菊之助長男の、
丑之助としての初舞台初日とあって、
華やかで浮き立つような雰囲気の歌舞伎座。
「絵本牛若丸」の元々の台本には
弁慶は登場しないそうですが、
この絵からインスピレーションを得て、
父⋅菊之助が演じることになったそうです。
観劇はまず、
「鶴寿千歳(かくじゅせんざい)」から。
女御後に雌鶴⋅⋅⋅時蔵
大臣後に雄鶴⋅⋅⋅松緑
宮中の男⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅梅枝、歌昇、萬太郎、左近
筝曲連中の演奏による、格調高い舞台。
「令和慶祝」として上演されました。
ゆったりとした踊りですが、
松緑のきっちりとした振り、
時蔵のしなやかさが見ていて心地よい。
梅枝の立ち役はけっこう珍しいかも。
左近さんは皆と比べるとまだ、
ひときわ小さいですが、お兄さんたちに
しっかりとついて動いていました。
彦三郎、坂東亀蔵、松也、尾上右近、
権十郎、秀調、と豪華版。
牛若丸(丑之助)が、
鬼次郎(菊五郎)と鬼一法眼(吉右衛門)
を従えてせり上がってきます。
両脇のお二人は丑之助の祖父。
おめでたい舞台です。
父である菊之助は、弁慶として登場。
(「勘進帳」ではなく、「弁慶上使」の弁慶。
おかし味のある扮装。)
四人揃って、口上になります。
丑之助は、
劇場いっぱいに通る声であいさつ。
黒衣の活躍もあり、
宙を飛んでの立ち回り。
やっつけられる敵役たちも、
なぜかちょっと嬉しそうでした。
鬼一から三略の巻を授けられ、
弁慶を供に出立する牛若丸。
最後は子どもらしく、
「疲れた。」と寝そべってしまう
可愛らしいところも見せ⋅⋅⋅
暖かい雰囲気に包まれた一幕でした。
「京鹿子娘道成寺」
新生歌舞伎座初の「娘道成寺」。
「道行」、「ただ頼め」なども端折ることなく、
丁寧な上演。
菊之助丈、満を持して⋅⋅⋅
というところでしょうか。
踊りの腕の確かさに、
気持ちの面での充実が加わり、
すばらしい舞台でした。
(都合により最後の幕、
「御所五郎蔵」は観ずに帰路につきました。)