歌舞伎座三月大歌舞伎、昼の部を観劇。



「女鳴神」は、歌舞伎十八番の「鳴神」を、
女方の演目に書き換えたもの。

「鳴神」では、鳴神上人は
色香に迷って行法を破ります。
この、「女鳴神」の鳴神尼は、
雲野絶間之助を、
許嫁と勘違いしたゆえに
過ちをおかします。

そう考えると、
鳴神尼がとても哀れに思われます。

後半の立ち回りでは、
女方らしい柔らかみは残しながらも、
有名な「柱巻の見得」もありました。

そして、
怒り狂った鳴神尼が花道に行き掛かると、
勇猛な荒事の佐久間玄蕃が登場し、
押し留めるという趣向。

鳴神尼は片岡孝太郎丈。
この世代の貴重な女形として
注目していますので、
今回のこの出し物はうれしいです。

雲野絶間之助は中村鴈治郎丈。
上方和事を思わせる、柔らかみ。
もう1役の佐久間玄蕃は荒事、
全く系統の異なる役ですが、
そつなく見せています。

(⋅⋅⋅このお二人が揃えば、
上方の演目を何か⋅⋅⋅と願いますが、
共演者など考えると
なかなか難しいのでしょうか。)

〈配役〉
  鳴神尼⋅⋅⋅片岡孝太郎
  雲野絶間之助⋅⋅⋅中村鴈治郎
  佐久間玄蕃⋅⋅⋅中村鴈治郎
  白雲尼⋅⋅⋅市川猿三郎
  黒雲尼⋅⋅⋅市川猿四郎
  青雲尼⋅⋅⋅市川笑子
  赤雲尼⋅⋅⋅片岡りき彌

今日の座席は3階最前列、下手寄り。


「傀儡師」、「傾城反魂香」の観劇メモはまた後日。