今月、歌舞伎座の開幕で上演されている、
「舌出三番叟」。
数多くある
「三番叟(さんばそう)」物の舞踊のひとつ。


能の「翁」を歌舞伎舞踊に移したものが、
一連の「三番叟」物。
能では、天下泰平を祈って舞う翁に続き、
三番叟が五穀豊穣を願うと言われています。

歌舞伎は能のある意味パロディとして、
三番叟を中心とした踊りを見せています。

劇場のこけら落としや、
お正月、顔見世などに上演されることの多い、
祝祭的な意味合いの演目です。

〽とうとうたらりたらりら
たらりあがり ららりどう

〽おおさえ おおさえ 喜びありや 喜びありや
我がこの所より他には 遣らじとぞ思う


今回上演される「舌出三番叟」は、
「再春菘種蒔(またくるはるすずなのたねまき)」、
別名、「種蒔三番叟」とも呼ばれます。
平成中村座で上演された「志賀山三番叟」も、
この系列のものだそう。

舌を出す振りがあるところから、
「舌出し」の名があるそうです。
この演目、
私は実際に見たことがありません。
今回、芝翫丈が踊っていますが、
大らかな舞台姿、楽しみです。


今回の「舌出三番叟」の他に
よく上演される「三番叟」物として、
「寿式三番叟」、「操り三番叟」、
「廓三番叟」、「二人三番叟」などなど⋅⋅⋅。