特徴的な3つ連なった蔵。
江戸末期に困窮人救済のため、
米や銭を放出したことから
「おたすけ蔵」と呼ばれています。

そして平成の世に、
「とちぎ蔵の街美術館」として
生まれ変わりました。

今回の展示はこちら。
「浮世絵で見る歌舞伎の世界」。

この浮世絵のコレクションを寄贈された
石川常四郎氏は、
市内で幼稚園を経営するほか、
様々な文化活動に携わった方だそう。
9月に97才で永眠されたそうです。

展示の一部。(チラシからです。)



江戸から明治までの浮世絵が、
演目、テーマごとに展示されていました。

間近で見る浮世絵は、
紙の目やわずかなしわ、
細かな刷り分けなど、
作者の息づかいが伝わってくるよう。



そして興味深いのが、栃木と歌舞伎の接点。
いずれも初耳でした。

※「栃木座」にて三代目尾上菊五郎一座が興業した。
(文政年間だったか⋅⋅⋅?メモしてくれば良かった。)
 なお、この「栃木座」は、
北条秀司作の新作歌舞伎「花魁草」に登場します。


※かつて「栃木明治座」が存在した。
 建物正面などは、
東京の明治座を模した造りであったそう。
 その後映画館として生まれ変わり、
昭和の中頃(?)まで営業していたが、
現在は更地になっている模様。


※戦時中、初代猿翁(当時二代目猿之助)は、
栃木に疎開していたとのこと。
 昭和26年に東京に引き上げる際に
お名残として、
栃木明治座で「黒塚」を上演した。

猿翁が当時住んでいたのは、
現在の「横山記念館」の離れの洋館だそうで、
その折の「黒塚」の押し隈が残されているそう。

巴波(うずま)川沿いにある横山記念館。
今日もこの前を通って来ました。
橋の向こう、2つ見える蔵がそう。
洋館はその奥にあります。