今日は雨降りの歌舞伎座へ。

昼の部を観劇。


一、妹背山婦女庭訓ー三笠山御殿
時蔵丈のお三輪。
時蔵丈には朧たけた、クールなイメージを持っており、
お三輪はどうなのだろう⋅⋅⋅と思っていました。
しかし、花道を出てきたところから、
幼く世間知らずなお三輪になっていました。
松緑の鱶七。
伸び伸びと演じているように見えましたし、
スケールの大きさを感じました。
これまで松緑さんではいろいろな役を見てきました。
この鱶七も2度目。
今は機が熟して、芸が充実している時なのでしょう。
これからが楽しみですし、
もっと他の役も見てみたい、と思いました。

二、文屋
菊之助の文屋康秀。
「六歌仙容彩」のうち、先月の「喜撰」に引き続きです。
体をよく使って、丁寧に踊られています。
官女とのやりとりも、
かなり突っ込んで踊っているように見えます。
ですが、
見ていてわくわくする感じが少ないのは、
仁(ニン)に合っていないからなのでしょうか。
端正でまっすぐな芸風の菊之助さんは、
「六歌仙」であれば、
小町か業平といったところが似合います。
芸風を広げるための、
敢えての挑戦なのだとは思いますが⋅⋅⋅
この踊りには、
文屋を引き留める官女たちが登場します。
この官女は立役の役者さんが出るという決まりだそう。
前の演目、「三笠山御殿」にも、
お三輪をいじめる、
立役から出る官女が登場します。
この2つの演目が続いて上演というのも、
おもしろいです。
筋書を確認したところ、
両方の官女に出ている役者さんもいるようでした。
三、野晒悟助
河竹黙阿弥の、珍しい上方を舞台にした作品。
ストーリーは少し荒唐無稽に感じるところもあり⋅⋅⋅
しかしながらこれは、
菊五郎丈の侠客としての風情を見るための
お芝居なのかもしれません。
思いを寄せる二人の娘に、米吉と児太郎。
二人の若女方にとっては大抜擢です。
