桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)。
別名、「帯屋」とも、
「桂川」とも、「お半長右衛門」とも。
今月、歌舞伎座で上演されています。
〈あらすじ〉
京の呉服店帯屋の主人長右衛門は、養子ながら、
仲の良い妻お絹と店を切り盛りし、店は大繁盛。
面白くない義母のおとせは長右衛門を追い出し、
店を手に入れようと画策しています。
ある日、伊勢詣りに出かけた長右衛門は、
ひょんなことから隣家の信濃屋の娘お半と
関係をもってしまい、
お半は長右衛門の子供を身ごもってしまいます。
おとせは連れ子の儀兵衛と共に
長右衛門の弱みにつけ込もうとしますが、
長右衛門はお絹の機転で難を逃れます。
しかし、お半が残した書置きを読んだ長右衛門は、
お半が死を覚悟していることを知り⋅⋅⋅。
(「歌舞伎美人」より)
お半は14歳、長右衛門は38歳だそう。
実際にあった事件をもとに作られた物語。
歌舞伎では、
以前はそれほど多く上演される演目では
なかったように思いますが、
このところ中村壱太郎のお半で、
再々演されています。
上方のものを伝えていこうという、
壱太郎さんの心意気を感じます。
壱太郎さんのお半、
可愛らしい写真がありました。
可愛いお半と丁稚の長吉は、
一人の役者が替わるのが、上方の演出だそう。
この写真は、1976年上演のもののようです。
お半 中村扇雀(現、坂田藤十郎)
長右衛門 十三代目片岡仁左衛門
お絹 三代目中村鴈治郎
長右衛門 十三代目片岡仁左衛門
長吉 中村扇雀(現、坂田藤十郎)
このときのお半·長吉は壱太郎の祖父であり、
今回は長右衛門を演じている坂田藤十郎丈。