四月大歌舞伎昼の部 観劇覚え書き。

今月の筋書、表紙は 大野逸男 作「桜」。
夜の闇に咲く満開の桜。
背景や樹木の幹は、何層にも重ねた絵の具を
削ったり、洗ったりして表現しているそう。
この原画は数か月後には、
歌舞伎座2階ロビーに
展示されることになっているそう。
四月大歌舞伎、昼の部の観劇記録。
一、「醍醐の花見」
豊臣秀吉が最晩年に開いたという、
京都醍醐寺の花見を題材にした舞踊劇。
役者が揃い、期待以上に楽しめた舞台でした。
秀吉に鴈治郎、大政所に扇雀、淀君に壱太郎。
ベテランチームでは、笑也、笑三郎、門之助、右團次。
笑也(松の丸殿)は、
淀君に何かと争いを仕掛けます。
笑也さん、6月には
「名月八幡祭」の美代吉が決まっています。
強めの役に境地を開きつつあるようですが、
笑也さんではやはり、
ふんわりした赤姫が好きです。
若手チームでは、尾上右近、萬太郎、歌昇、種之助。
中でも右近の踊りは体幹がしっかりしている感じ、
種之助は手足の動きが表情豊か。
花見から一転、
松也は豊臣秀次の亡霊、秀吉に恨みをなす役。
石田三成の右團次、僧の門之助に祈り伏せられ
姿を消します。
「黒塚」を彷彿とさせました。
舞台一杯の桜、
観客も一緒に花見の宴に加わっているよう。
そして、人の栄枯盛衰も。