猿若祭二月大歌舞伎 昼の部 (2月11日観劇)

<祝日のため、日の丸が掲げられた歌舞伎座>
猿若勘三郎(=初世中村勘三郎)が江戸に登り、
猿若座(後の中村座)を創設したのが
江戸歌舞伎の始まり。
寛永元(1624)年のこと。
それから390年目を寿ぐ今回の猿若祭。
(正確には393年経つわけだが、
どういうわけか、3年ほどサバが読まれているそう。)

<2階ロビーに飾られていた猿若人形。>

一、「猿若江戸の初櫓」
猿若と出雲の阿国が、
江戸に上ってきた様子を描く舞踊。
勘九郎(猿若)と七之助(阿国)の
花道での連れ舞い。
さすがに息が合って美しい。
客席はため息とも、ざわめきともつかないジワが…
勘九郎の踊りは、身体の軸にぶれがなく、
見ていて心地よい。
6人並んだ若衆役は、
宗之助、児太郎、橋之助、福之助、吉之丞、鶴松。
年長の吉之丞の踊りには、
さすがに柔らかみがあります。

二、「大商蛭子島」
幕開き、寺子屋の手習娘たちが
色とりどりの衣裳で並び、楽しい。
尾上菊史郎(音羽屋)、中村京紫(京屋)、
中村芝のぶ(成駒屋)、片岡千壽(松島屋)、
尾上緑(音羽屋)、中村春之助(加賀屋)と、
それぞれのお家のお弟子さんたちの、
きれいどころが出演。
お師匠さまの正木幸左衛門(実は源頼朝)が
いやらしくしなだれかかってきても、
困った顔をするだけで、誰一人として言い返せない。
(今でこそセクハラですが、
昔だったら、こんなものか…と見ていました。)
奥さんのおふじ(実は辰姫)との痴話喧嘩を、
本越しに覗き見る手習娘の芝のぶ。
おます(実は政子の前)の七之助、
こってりと厚みのある感じがしました。
清滝の児太郎、少し硬く寂しそうな風情が
この役に似合っています。
清左衛門坊主(実は文覚上人)は勘九郎。
幸左衛門との禅問答のような台詞のやり取り、
後半、立回りの切れのよい動き。
このお芝居は、ほとんどの人物が、
○実は××…という具合に、仮の名前。
物語の筋を通そうとするあまり、
人物像がやや支離滅裂だったり、
強引な展開だったりしますが、
それはそれで大らかな味わいです。
また、古風な舞台装置や衣裳など、
興味深かったです。
歌舞伎ではよく使われる「回り舞台」、
それが開発される前の作品とのことで、
幸左衛門の内の場から
旗揚げの場への舞台変換には驚かされました。
政子の前の赤と紫を基調とした衣裳、
幸左衛門のびらり帽子、
女性たちの紫帽子など目に残りました。
今回は40数年ぶりの上演だそうですが、
今後もお蔵入りにせず、
上演して欲しいお芝居です。


<祝日のため、日の丸が掲げられた歌舞伎座>
猿若勘三郎(=初世中村勘三郎)が江戸に登り、
猿若座(後の中村座)を創設したのが
江戸歌舞伎の始まり。
寛永元(1624)年のこと。
それから390年目を寿ぐ今回の猿若祭。
(正確には393年経つわけだが、
どういうわけか、3年ほどサバが読まれているそう。)

<2階ロビーに飾られていた猿若人形。>

一、「猿若江戸の初櫓」
猿若と出雲の阿国が、
江戸に上ってきた様子を描く舞踊。
勘九郎(猿若)と七之助(阿国)の
花道での連れ舞い。
さすがに息が合って美しい。
客席はため息とも、ざわめきともつかないジワが…
勘九郎の踊りは、身体の軸にぶれがなく、
見ていて心地よい。
6人並んだ若衆役は、
宗之助、児太郎、橋之助、福之助、吉之丞、鶴松。
年長の吉之丞の踊りには、
さすがに柔らかみがあります。

二、「大商蛭子島」
幕開き、寺子屋の手習娘たちが
色とりどりの衣裳で並び、楽しい。
尾上菊史郎(音羽屋)、中村京紫(京屋)、
中村芝のぶ(成駒屋)、片岡千壽(松島屋)、
尾上緑(音羽屋)、中村春之助(加賀屋)と、
それぞれのお家のお弟子さんたちの、
きれいどころが出演。
お師匠さまの正木幸左衛門(実は源頼朝)が
いやらしくしなだれかかってきても、
困った顔をするだけで、誰一人として言い返せない。
(今でこそセクハラですが、
昔だったら、こんなものか…と見ていました。)
奥さんのおふじ(実は辰姫)との痴話喧嘩を、
本越しに覗き見る手習娘の芝のぶ。
おます(実は政子の前)の七之助、
こってりと厚みのある感じがしました。
清滝の児太郎、少し硬く寂しそうな風情が
この役に似合っています。
清左衛門坊主(実は文覚上人)は勘九郎。
幸左衛門との禅問答のような台詞のやり取り、
後半、立回りの切れのよい動き。
このお芝居は、ほとんどの人物が、
○実は××…という具合に、仮の名前。
物語の筋を通そうとするあまり、
人物像がやや支離滅裂だったり、
強引な展開だったりしますが、
それはそれで大らかな味わいです。
また、古風な舞台装置や衣裳など、
興味深かったです。
歌舞伎ではよく使われる「回り舞台」、
それが開発される前の作品とのことで、
幸左衛門の内の場から
旗揚げの場への舞台変換には驚かされました。
政子の前の赤と紫を基調とした衣裳、
幸左衛門のびらり帽子、
女性たちの紫帽子など目に残りました。
今回は40数年ぶりの上演だそうですが、
今後もお蔵入りにせず、
上演して欲しいお芝居です。
