公園の木陰で咲いていた、山吹の花。




実の一つだになきぞ悲しき…
蓑一つだになきぞ悲しき…

草深い田舎道を歩いていたところ、
急に雨が降りだし、
蓑を貸してもらおうと近くの家を訪れると、
その家に住む年若い女性が、
山吹の花を差し出した…
というような話でした。

山吹の花には実がならないことと、
蓑の一つもないという恥ずかしさをかけています。

昔、古文の時間に勉強しましたが、
こんなうろ覚えの内容しか覚えていません。

調べてみると…


このお話に出てくる、
実がならない山吹は、
このような八重の山吹のようです。

一重の山吹には、
黒い実がなるそうですが、
私は見たことがありません。


元歌は、後拾遺和歌集にある、
「七重八重 花は咲けども山吹の
実の一つだになきぞ悲しき」。

山深いあばら家に住む少女が、
なぜこのような歌を知っていたのか、
謎めいています。

室町時代の武将、太田道灌の逸話だそうです。