
昨日から上映が始まっていた
シネマ歌舞伎「棒しばり・喜撰」。
見に行ってきました。
「棒しばり」
こちらは、平成16年の上演。
三津五郎さん、勘三郎さんの「棒しばり」は
12年前のこの共演が最後だったようです。
お二人とも体幹がしっかりしていて、
踊りにぶれがなく、きっちりしています。
三津五郎さんと勘三郎さんは、
背格好や舞台姿が似ていました。
私は歌舞伎座の
3階B席や幕見席からの観劇が多かったのですが、
共演の場合、どちらが出てきたのか
しばらくの間、分からないことがありました。
…と、そんなことを考えながら、
画面を見ていました。
「喜撰」
平成25年6月、
歌舞伎座新開場3か月目の公演。
当時、歌舞伎座でも観劇しましたが、
華やかな舞台、
客席の静かな盛り上がり
(ジワ、と言うのでしょうか)を
思い出します。
映像では、やはり生の舞台では気付きにくかった、
細かい部分を見ることができます。
喜撰法師は、
片足は女形のように内輪に歩くという
口伝があるようです。
その足取りから、
柔らかい雰囲気を醸し出していることが
よく分かります。
三津五郎さんはこの公演のときに、
「自分が死んだら、
小道具の花錫杖を棺に入れてくれ。」
と、後見を勤めるお弟子さんにふと、語ったと言います。
そして思いがけなくも、2年足らずのうちに、
本当のこととなってしまいました。
その、後見の八大さん、大和さんも
緊張した面持ちで画面に映っていたのが、
ほほえましく感じました。

もうすぐ、三津五郎さんの一周忌です。