今月、国立劇場では「東海道四谷怪談」が上演されています。
なぜ、12月に「四谷怪談」?と思いましたが、
12月14日は討ち入り、義士祭です。



「四谷怪談」は「仮名手本忠臣蔵」の外伝物。

「東海道四谷怪談」初演のときには、
「仮名手本忠臣蔵」と交互に、2日がかりで上演したとか…


今回、染五郎さんは上記の3役に加え、
作者である鶴屋南北、
討ち入りの大石内蔵助に扮して登場するようです。


他に今月は京都南座の顔見世で、
忠臣蔵をテーマとした作品が2つ上演されています。


「碁盤太平記」と「土屋主税」が、そうです。


「碁盤太平記」************
(みどころ・「歌舞伎美人」より)
 近松門左衛門による時代物の浄瑠璃を脚色した作品。
物語は、冬の京都山科、大石内蔵助の閑居を舞台に展開します。
内蔵助の忠義心を疑う
母の千寿や妻のりくと内蔵助のやりとりに続き、
碁盤と碁石を用いた内蔵助と下僕の岡平の
吉良邸の様子をめぐるやりとりが本作最大の見せ場です
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今年4月に、歌舞伎座で久しぶりに上演されたものの再演です。
4月の歌舞伎座、私は残念ながら見逃しました。
中村扇雀さんが、曾祖父の初代鴈治郎の路線を継いで、
好演のようです。


「 土屋主税」**************
(みどころ・「歌舞伎美人」より)
 渡辺霞亭が書いた忠臣蔵の“外伝もの”。
浪士の理解者である土屋主税を主人公にして、
俳諧を巧みに折りまぜながら、
浪士の大高源吾との交流と、
討ち入りを待ち望む心情を描いた作品です。
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この「土屋主税」は、先行作品である「松浦の太鼓」と
登場人物やあらすじがほぼ同じだそうです。

「松浦の太鼓」は江戸時代に初演された演目。
初代吉右衛門の秀山十種にも選定されており、
上演頻度はこちらの方が多い印象です。

『土屋主税」は、「松浦の太鼓」をもとに、
明治40年に初代中村鴈治郎のために書き替えた新歌舞伎で、
鴈治郎の芸風に合わせた派手な演出になっているとのこと。

私は「松浦の太鼓」は見たことがあるように思いますが、
記憶があやふやです。
「土屋主税」の方は東京での上演頻度が少ないようです。
現・坂田藤十郎さんが鴈治郎時代に
歌舞伎座で演じたのを見ているようですが、
こちらも残念ながらあまり覚えていません。


忠臣蔵に関する演目は、他にもたくさんありそうです。