10月もあとわずかです。

11月歌舞伎座は「顔見世大歌舞伎」、
「十一世市川團十郎五十年祭」と銘打った公演が行われます。

十一代目市川團十郎、
先年お亡くなりになった十二代目の父であり、
当代海老蔵さんの祖父に当たります。

十一代目が亡くなったのは、
1965(昭和40年)だそうです。
当然、私は舞台写真でしか見たことがない役者さんです。
「切られ与三」、「若き日の信長」、「源氏物語」の光君など
いずれもモノクロの写真です。
繊細で物憂いような雰囲気を纏っていると感じます。

その、十一代目をモデルに創作されたという小説がこちらです。

「きのね」 宮尾登美子 著


主人公の雪雄(十一代目がモデル)と
後にその妻になった光乃の、
壮絶な生き方に引き込まれました。

上下巻に分かれた厚みのある文庫本でしたが、
数日で読み終えてしまいました。


当時「海老さま」と呼ばれ、
大変人気があったという十一代目を偲ぶ公演です。