
今日は七夕です。
七夕の夜の出来事を描いた舞踊、「流星」があります。
日本舞踊の主人公は生身の人間の他に、
藤の精だったり、鷺の精だったりします。
この「流星」ではまさしく流星、星になって踊りますから
さらにメルヘンチックです。
年に一度の七夕の夜、織姫と彦星のつかの間の逢瀬、
そこに飛び込んでくるのが流星です。
流星が二人の前で物語るのは、長屋の雷の夫婦喧嘩、
最後は雷のおばあさんが入れ歯を飲み込んで大騒ぎ…
といったコミカルな内容です。
織姫と彦星、流星も、
唐風の絢爛とした衣装を身に着けているのが、見所のひとつです。
「流星」について、坂東三津五郎さんが解説される講座を
見に行ったことがありました。
坂東流にとって「流星」は大切な踊りのひとつのようで、
踊りの成り立ちや歌詞や振りの意味などについて、
丁寧にお話しなさっていました。
そのときに、次代の歌舞伎界を担う自分たちから
世の中に発信していかねば…ということや、
次の世代に伝統をつなぐ橋渡しをする使命などについて、
熱心にお話しされていました。
それから何年もしないうちに病を得てお亡くなりになるとは、
思いもよらないことでした。
今年3月、京都南座の花形歌舞伎の折に、
子息の坂東巳之助さんが「流星」を踊られたようです。
そのときの織姫・彦星は、尾上右近・中村隼人さんの
フレッシュなコンビだったようです。
ずっとずっと以前、先代猿之助さんの流星も
見たことがありました。
織姫・彦星は…と調べてみると、
織姫は市川笑也さん、
彦星は現在の中村錦之助さん、隼人さんのお父さんでした。
現在の空もよう、
台風が3つも発生しており、
この後2~3日は、お天気は回復しないようです。
