もうすぐ6月、
歌舞伎座は1日に初日を迎えます。

昼、夜の部通しで上演される「新薄雪物語」は、
菊五郎、幸四郎、吉右衛門、仁左衛門、
魁春、芝雀・・・と、たいへんな大顔合わせになっています。

「新薄雪物語」は比較的上演がまれな演目で、
私にはまだ幻の演目。
一昨年、花形世代により上演されましたが、
そのときにも見逃しました。

「新薄雪物語」の上演記録を新しい順に…
2013年9月ーー2008年6月ーー2002年11月
これ以前も数年おきに上演されていましたので、
たまたま見る機会がなかっただけのようです。


渡辺保 著 「歌舞伎手帖」
こちらで読んだだけで、まだ見ていない演目はたくさんあります。

夜の部の「夕顔棚」、これも上演はまれです。
1996年7月ーー1982年2月ーー1980年12月



以前の歌舞伎座のさよなら公演から
新開場柿葺落公演までの間、
オーソドックスな演目を繰り返し上演した印象があります。

新開場の賑わいも一段落した今、
珍しい演目の上演に力を入れているようです。

五月大歌舞伎、團菊祭では、
「天一坊大岡政談」
2001年6月ーー1972年6月、3月ーー1964年3月
「慶安太平記」
2006年8月ーー2001年7月ーー1992年2月

四月大歌舞伎では、
「碁盤太平記」
1975年1月ーーそれ以前は戦後では上演なし
こういった復活上演となると、以前の舞台を知る人や
記録もあまり残っておらず、
上演には大変な労力がいるようです。


よく上演される「勧進帳」の上演記録を見ると、
少なくとも年に2回はどこかの劇場で上演されているようです。

歌舞伎は同じ演目でも、役者が変われば
また違った見方ができるところが魅力のひとつです。
しかしながら、先人が残した埋もれた演目を掘り起こすことも
新たな創造につながっていくと思います。


・・・最近上演が絶えており、リクエストしたい演目は「十六夜清心」。
遊女十六夜と僧清心の心中劇から、
一転して悪の道に目覚める清心。
伴奏の「梅柳中宵月」という清元も名曲ですが、
なぜ最近上演されないのでしょう…?