庭に一歩出ると、牡丹の香りが漂っていました。



獅子に牡丹はつきもの。
歌舞伎の「獅子物」には必ず牡丹の花が登場します。
舞台面や小道具に使われ、歌詞にも歌われています。


「春興鏡獅子」より
時しも今は牡丹の花の
咲くや乱れて 散るは散るは散りくるは
散りくるは散りくるは ちりちりちり
散りかかるようでおもしろうて寝られぬ
花見てあかそ 花見てあかそ
花には憂さをうち忘れ

上手な役者さんが踊ると、
その手元の扇の先に大輪の牡丹や
風に散りかかる花弁が見えるような思いがします。