高砂のうすらバカ親方は親方としての責任も感じねーで焼肉喰いにいったか。バカに拍車がかかるとどーしよーもねーな。まったく親方としての品格を疑うのだ。おれは銭もねーくせして久しぶりに近所の料理屋へいったのだ。居酒屋じゃなくて料理屋。フグと天ぷらと刺身がメインでこの季節はあんこう鍋とかてっちりとかもあって、女将さんは沖縄のヒトだからソーキそばとか色んなチャンプルや豚肉の沖縄料理もやってんの。でもおれがいくくらいだからおれが喰らうよーな食い物もリーズナブルにあって、赤芋焼酎のお湯割でアジの開きと白菜の浅漬けつまみながら、醗酵食品の食い方の話で女将さんと盛り上がったのだ。調味料のナンプラから始まってアンチョビやらチーズやらクサヤとかエスキモーのアザラシの食い方とかシュールストレミングスたらなんたらと。
んでもって普段てきとーなもんばっかし喰ってると、てめーの食の原点が恋しくなるのは極めて当たり前なことだからして、アジの開きが皿に二尾ものってると一尾は手づかみでバリバリやって、残りの一尾は飯と味噌汁と浅漬けで、とっても幸せな晩ごはんにしてしまったのだ。ああ、しゃーわせ。野球帰りのクズみてーなオヤジの集団とか普段着がニッカボッカの薄汚ねー労務者集団以外は比較的喫煙率が低い店だから、この料理屋しか呑みにいかねーのだ。こんなにうっかりすると見逃すよーなとこに、小さくとも幸せはあるのだ、ペイパームーン。