いつもの時間にいつもの立ち呑みにいったら、先客がいたのだ。
四十代の四人の男女と七~八歳のガキ一匹。
おれはいつもどーりホッピーを呑みながら店長と自転車、拳銃など共通の趣味の話しと、なぜだか業務用冷蔵庫の話しをしていたのだ。
したらガキが飽きたのか、店内をウロウロ歩きまわりはじめたのだが、四人の男女はそれに構わず盛り上がって、そん中の身長185㎝はあるノースリーブのシャツに半ズボンの男が、身振り手振りも大きくドカドカ騒ぎ始めたからたまらない。
ちとうるさくねーか。
なに? 185㎝男がこっちを向いた。
うるせーての。もう庄屋が開いてんだろーからそっちいけよ。ガキしかいねーだろーから騒ぎ放題だぞ。
185㎝男の表情が変わったのだ。
168㎝体重55キロのただでさえ童顔で舐められがちのおれに言われたんだからな。
ここはあんたの店じゃないだろ。
185㎝男はおれを値踏みするよーにいったのだ。
それはこっちがいいたい。立ち呑みにガキ連れてくるなんざーどんな神経してやがる。
おれは減らず口なのだ。
いきり立つ185㎝男をなだめる他の男女3人。
だが、なだめられるとよけーいきり立つタイプっているよな。
おれは面白くなって挑発してみた。
だから田舎モンは困るんだ。てめーの仲間がいる箱庭ん中だといきがるからな。サルと一緒じゃねーか。店長、警察に電話してくれ。酔っ払いの小競り合いなら民事だろーけど、おれが刑事事件にしてやるからよ。
185㎝男を含めた男女四人は静かになったのだ。
おれみたいな小柄な男はどんな巨漢相手にも怯んじゃだめなのだ。
むしろでかく出て、小柄なクセにこの自信はどっから出てくるのよ。ってくらいが返って相手がビビることが多々あるのだ。多々あるってことは、そーでもないことが少々あるので、まあ、相手を選ぶのだな。
まあ、おれが男一匹で捨てるモンもなく、困るとしたらメダカのめんどーくらいだから、ステごろの気迫ぐらいは出てるかも知れん。
でも、おれだって四十代なのだ。もーちっと大人しく、落ち着かなきゃだめなんだろーな。
ちとしたら、少々うるさくなってきた。
んでもさっきよりかだいぶマシなので、おれは黙ってたが、やがて顔見知りのオヤジやらジジイやらが入ってくる。
そのオヤジ、ジジイが口々に言うのだ。
なんだよ、うるせーな。若ぇコたちがキャアキャアいってりゃー可愛いけどよ、ババアじゃしょーがねーな。
はは。七十代のジジイが見ても、四十代の女はババアか。
ジジイがゆーことは、おれよか遠慮がないってーか、てめーのことは棚に上げて直接的で面白い。
四十代男女は静かに帰っていった。
おれは、ジジイとテレビのグルメ番組を眺めながら、広島焼きってーの美味いの? お好み焼きだろ? 兄ちゃん食べたことある?
あるけどねぇ、んでもお好んでないからねぇ、焼きソバ食ってんのと変わらねーよ。
などと呑んだのだ。