新緑
新緑のニオイが僕を洗い流してくれる
新緑のニオイがこの僕を洗い流してくれる
雲の流れが速い昼下がり 僕は車に乗って港まで
一つの峠を越える頃 窓を開けたその場から心地よい風と共に緑らしきニオイ
外を覗くと一面が緑に覆われた世界 もう春なんだなぁ
そう聞くと、お鼻がムズムズする方もいるのでは?
そんな木の妖精が春のそよ風と共に 僕の車に忍び込む
僕の意識とは関係なく 僕の車に降りてくる降ってくる舞い降りる
妖精はクルクルと回転しながら 車内を所狭しと駆け巡る駆け巡る駆け巡る
何がしたいというのだろう?
僕の瞳を混乱させるためなのか?
まともに正面を向けやしない
妖精は僕の瞳をさえぎり 鼻先をさえぎり 耳たぶに触れていった
その瞬間には髪もなびかせただろうし 唇も奪われただろう
妖精は僕の心をもてあそぶだけもてあそんで 忍び込んだ窓から帰っていった
元ある場所へ戻っていった
ホントに人騒がせなヤツだ
新緑のニオイはいいもんだ 新緑のニオイはいいよね
冬が終われば春がまたやってくるように 木たちにも小さな新葉が出てくるだろう
新緑の季節の中で車を走らせている ドアに肘なんかかけちゃってさ
新緑の季節に車を廻らせている 少しは肩なんか揺すっちゃってさ
ニオイをという不確かな物体にそっと囁かれた そんな気がしたサニーアフタヌーンだった