死とは?
人は死と向き合った時、何を考えるのだろうか?
僕の近くに死を覚悟したご老体が存在する
「お祖父ちゃん、来年の夜明けは見られないみたいよ。」
火急の連絡に「もしや?」と思い、取る物も持たずに走り出した
息を切らしながら駈け付け、部屋の前で一呼吸置く
脈が落ち着くのを確認した後僕は、最後となるかもしれない旅路部屋へと足を踏み入れた
そこには口を開けた状態で眠っている一人のご老人の姿があった
ガキの頃、太平洋戦争時の貴重な体験や幼少期のアクシデントなどを
一家団欒時に面白おかしく話し聞かせてくれたものだ
かつては片手に銃を、戦後は金槌を、余生は日本酒を持ち歩いた日々を思い巡らしているのだろう
ユーモアや趣味もあったりと、とてもあの厳しい戦争を通り過ぎた人には思えなかった
「時間は過ぎ去っていくものなのね。」
「お祖母さんが先に逝ってるから、迷うことなく天国への階段を登ることだろうね。」
「お祖父ちゃん、お祖父ちゃん。」
僕は今ココに眠っているご老体をみつめながら、「いつかはこの僕も・・・・・・・・・・」
と思いつつ、手にはしっかりと汗を握り締めていた
僕が死ぬ時は何と向き合うのだろう?
僕が死ぬ時は何を想うのだろう?
いつも以上に自分に問いただしたくなる一時だった