鳴り響け アンジェラの鐘
傍らに 添いて響くは
小鐘の かつての敵の
心をば 集めて鳴りぞ
浦上の 空にひびいた
鐘のおと そのくるしみを
受難とし いのるこころを
繋ぎては ながき月日が
実を結び カテリアの鐘
鳴り響け 大小の鐘
時とともに その歩みは 過去のものとなり
八月の六日九日すらも知らぬと聞いた
忘れられかけた いくさのあゆみをば
知る人が消え逝くたびに ないものと
してはならぬと 未来の子らが同じく
惨たらしい姿で 死ぬことがない様に
沈黙の美徳を持ちながらも忘れぬ様に
そのためにも 声をあげる鐘を鳴らす
人は戦う それは暴力で制圧するのではない
力を融合し また分け合い 育てるためにも
我が身だけ さもしく利益を囲う愚かな姿を
他人事のように容認してはならない
人は戦う それはまったく安楽な道ではない
簡単に壊れてしまう人類の和平というものを
何度も何度も何度も何度も繰り返し繰り返し
何度も何度も何度も何度も壊されたとしても
それでも諦めずに 訴え続けねばならないと
なんごともなく生きることでさえ
本当は大変な奇蹟である
この肉体が生まれ天寿を全うする
たったそれさえ有難き事
人は斯くもその奇蹟さえ忘れては
われらが全てだと傲慢になる
そうしてこの脆い同じ生命を
掌握した気になっている
然しそれは己の命もまた
代償として軽んじられる
忘れてはならない 命とは斯くも
美しく強く輝くもので
醜く脆く執念深くあり
天然の侭に輝きながら
難しき自律を必要とす
一つでは生きられない
宇宙の中心であり一つの塵である