2026.04.20
慌ただしい朝。バスが絶え間なく行き交う幹線道路沿い。
駅へ急ぐ人々が横を通り過ぎる中、私は今年もその「定点観測」のために足を止めました。
そこにいたのは、白く可憐なクゲヌマラン。
数年前に初めて見つけた時はほんの少しでしたが、今年はあちこちで顔を覗かせてくれ、着実にその命を繋いでいるようです。さらに今年は、鮮やかな黄色のキンランまでもが、ポツリ、ポツリと彩りを添えてくれていました。
誰も気づかない贅沢な景色
キンランもクゲヌマランも、実は絶滅が危惧されているほど貴重な野生のランです。そんな希少な花たちが、日常の風景に溶け込んでいる不思議。
周囲を見渡せば、多くの人がスマホを眺めたり、時計を気にしたりしながらバスが来るのを待っています。すぐ足元には、こんなにも美しく、凛とした世界が広がっているのに。
それは、ほんの少し視線を落とした人だけに贈られる、朝のご褒美のような時間でした。
変わらない朝、変わりゆく足元
毎年同じ場所で観察を続けていると、植物たちのたくましさに驚かされます。コンクリートとアスファルトに囲まれた過酷な環境でも、彼らは彼らのリズムで、確かに増え続けている。
