35年ぶりにムバラ・ジェネラルホスピタルの薬局を訪れ、設備や薬の充実にも驚きましたが、それ以上に感動したことがありました。35年間でここまで変わったザンビアの薬局
私が青年海外協力隊の薬剤師として赴任した35年前、ザンビアには薬剤師を養成する大学がありませんでした。
そのため、自国で薬剤師を育てることができず、多くの病院では外国人薬剤師が重要な役割を担っていました。
私自身も、薬剤師になってまだ4年足らずという経験でありながら、州立病院の薬局長という責任ある立場を任されました。
今思えば、とても大きな責任でした。
一方で、薬局を支えていたのは、経験豊富なファーマシーテクニシャンのムンバさんです。
ムンバさんをはじめ、多くのスタッフが現場を熟知しており、私は毎日のように助けてもらいながら仕事をしていました。
実は今回,35年経って知ったことがあります。
当時、私は青年海外協力隊員として週休2日でか勤務していました。そのため薬局は「土日がお休み」だとおもいこんでいましてがあ、ムンバさんとの会話で「私は、日曜日も出勤していたよ」とさらりと言われました。
外国人ボランティアだった私は決められた勤務体系の中で働いていましたが、その陰では現地スタッフが休日も病院を支え、患者さんのために働いていたのです。35年経って初めて知った事実,もしかしたらそうだったけど忘れてしまっていたのか…
私が,,安心して働く方ができたのは、ムンバさんたちの支えがあったからなのでのです。
それから35年。
今回薬局を訪れると、そこには6人の薬剤師が勤務していました。
しかも、全員がザンビア人です。
35年前には想像もできなかった光景でした。
現在では、ザンビア国内で薬剤師を養成できるようになり、自国で学び、自国の医療を支える薬剤師が育っています。
外国人の力に頼っていた時代から、自分たちの力で医療を支える時代へ。
この変化は、ザンビア医療が大きく前進したことを象徴しているように感じました。
働き方も大きく変わっていました。
私が勤務していた頃の薬局は、日中の勤務が中心でしたが、現在は24時間体制のシフト勤務になっています.昼夜を問わずに患者さんに薬を届けられる体制が整ったことも,この35年間の大きな成果でしょう。
薬局内を歩いているとコンピュータ輪が,置かれ、患者さんへ渡す薬袋もわかりやすく工夫されていました。
少しずつではありますが、確実に前へ進んでいることが伝わってきます。
でも、今回私が一番感じたのは、設備の進歩ではありませんでした。
人が育ったこと。
それこそが、この35年間でザンビアの薬局が成し遂げた、最大の財産ではないでしょうか。
35年前、この国で多くのことを学び、多くの人に育ててもらった私。
そして今、そのバトンを受け継いだ若い薬剤師たちが、自信を持って働く姿を見ることができました。
これほど嬉しいことはありません。
私は今回の訪問で、改めて感じました。
医療を支えるのは、建物でも機械でもありません。
最後は、"人"なのだ。
そう実感した、35年ぶりの薬局訪問でした。





