旅もいよいよ後半戦。ここムバラでの滞在も、気づけば残すところあと1日となりました。
今日は、ここザンビアの地方都市で日々格闘している、リアルすぎる「ネット事情」についてお話しします。すべての始まりは、ホテルの部屋に入った瞬間のことでした。
ふと見ると、デスクの上にポツンと置かれた見慣れない白い物体。
「ん? 一体これ何だろう……?」と、思わずじっくりネットで調べてしまいました。調べてみると、どうやら客室用のWi-Fiルーター(TP-LinkのDecoという機器)のようです。
「あ、これでお部屋でもネットが使えるのね!」と一安心……したのも束の間。いざ繋いでみると、とたんに繋がりが悪くなってしまう始末。
実は今回の旅、日中も現地で使えるeSIMをセットして行動しているのですが、これがもう大苦戦の連続なんです。設定してようやく開通したと思ってもなかなか繋がらず、電波表示は「3G」や「LTE」を行ったり来たり。通信中にプツッと切れてしまうのは日常茶飯事で、昼間の時間帯はほぼ使い物になりません。おまけに部屋のWi-Fiもこれでは、「うーん、困ったな……」とお手上げ状態。
そこで、電波を求めてフロントへ行き、スタッフの方にWi-Fiについて聞いてみることにしました。すると、あっさりとこんな答えが返ってきたんです。
「Wi-Fiの設定画面を開いたら『STARLINK』があるから、それを使って。パスワードはないよ」
それを聞いた私は、「スターリンク……? え、まさかあのイーロン・マスクのスターリンクのこと???」と、初めは頭の中が「???」でいっぱいに。ここはルサカから遥か遠く離れた田舎町ですから、まさかそんな最先端技術が、しかもパスワードなしで転がっているなんて思いもしません。
半信半疑のまま、スマホの設定画面を開いてみると……。
画面の1番上に、本当にぽつんと現れた 「STARLINK」 の文字!
本当に、あの宇宙から電波が降ってくる衛星インターネットでした。
実は私、ザンビアに来る前、日本で大使館の方から「現地ではスターリンクがいいですよ」とアドバイスをいただいていたんです。でも、その時に自分で調べたら、通信機材(キット)を手に入れるのに5〜6万円ほどかかると知って、「うわっ、これは個人では現実味がないな……」と軽く流してしまっていました。あの時の私に「ホテルで普通に出会うよ!」と教えてあげたい気分です。
以前日本にいたとき、山の中でスターリンクに繋げようと試みたことがありますが、その時は周りの建物や木々などの障害物に遮られて、衛星の電波をキャッチするまでにものすごく時間がかかりました。
ところが、ここムバラの空は、何も遮るものがない見事な大空!
障害物が一切ないおかげで、宇宙からの電波をダイレクトに、そして驚くほどサクサクと快適にキャッチできているんです。日本の山での苦労が嘘のように、本当に快適にネットが繋がります。
ちなみに、現地の友人にこの驚きを話してみたところ、このスターリンクの料金は「月700クワチャ【約6,200円】くらいだよ」とのこと。
「そうそう、あのホテルはスターリンクが入っているからね。僕たちも大きなファイルがあったり、重いデータを送受信したりする時は、わざわざあのホテルに行って作業させてもらうんだよ」と教えてくれました。地元の人たちにとっても、大切な用事をこなすための貴重な「超高速ネットスポット」として頼りにされている場所だったんですね。
ただ、一つだけ誤算が。この「魔法のWi-Fi」、場所が限定されていて、使えるのはホテルのフロントとレストランエリアだけなんです。
だから、少しでも早く帰宅した日は、フロントの前のベンチに腰掛けてスマホをポチポチ……。
昼間は3Gの電波にやきもきし、お部屋では謎のルーターに見放され(笑)、でもフロントのベンチに行けば「パスワードなし」で宇宙テクノロジーの恩恵を日本以上に受けられる……。
そんな激しいギャップも、現地に来てみないと分からない、この旅ならではの最高の思い出です。遮るもののない大空の下、宇宙の力を借りて繋がるインターネット。ムバラ滞在の最後も、このフロント前のベンチで大切に過ごしたいと思います!



