高木由利子 写真展
chaoscosmos vol.2 sakura
カオスコスモス 弐 桜
会期:2024年3月1日〜4月29日
会場:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
電話番号:0570-05-6990
今年は桜が咲くのが、来年に比べて遅い。
私は、一足先に、展覧会でサクラを堪能しました。
高木由利子さんの展覧会、
私は高木由利子さんを去年のKYOTO GRAPHY2023 二条城で知りました。スケールの大きい大判のプリントで、圧倒されました。そして、東京現代美術館でのDior展。
両方の展示を見て、ファッションの写真を撮っている方と思っておりました。
今回の展示は、
タイトルの示すように、sakura 桜
………………………………………………………
桜のゆくえ
我々日本人はある時から、
桜の開花宣言を心待ちにするようになった。
平安時代の国風文化の影響以降、
桜は花の代名詞になるほど、
特別な位置を占めるようになったらしい。
日本人が愛してやまない桜。
この十年余り、私なりの視点で桜の儚さや潔さに
翻弄されながら撮り続けている。
桜の開花速報よりも、どちらかと言うと、
何時散り始めるかが知りたい!
一年に一回のチャンス。
誇らしげに華やかに咲き乱れ、
束の間に散り去るその行方に興味が湧く。
そして、図らずしも私は七年前に、
劇齢百五十年の二本の山桜が土地の主の風貌で
替え立つ、標高1000mの土地に巡り合い、
そこに移住することを即決した。
呼ばれたとしか思えない、あっという間の出来事だった。
桜の大木と暮らすようになって、目まぐるしく
変容していく様をより一層観察するようになった。
レンズを通して桜が見せてくれる密かな有り様を、皆様にも目撃していただきたく、、
写真家 高本由利子
………………………………………………………
chaoscosmos project
sakura
S_A6A6537
840x560 mm
Lambda silver gelatin print
Gunma Japan
2023
部屋に入ってまず目に飛び込んだこの作品。
渋いピンク色のマットに、浮かせてボックス型の額装。とても素敵でした。
chaoscosmos project sakura
S_A6A7989
4474x2780mm
Piezograph print
Bamboo washi paper
Tokyo Japan
2014
これは9枚組の作品
壁一面の大きな作品.(4474x2780mm)
竹和紙にはプリント
周りの白い部分は漆喰
これを見ただけでも来た甲斐があったと思ったか…
後にもたくさん素晴らしい作品があった
Piezograph print 、これはモノクロの印刷で
7段階のグレーインクを使ってプリントするため非常に高いシャープネスと豊かなグラデーションを実現.描写性の高いシャドウとハイライト、そして優れた保存先が作品の価値を高めます。
左側には黒いふちの額縁、
Lambda silver gelatin print
デジタルデータからレーザーを露光して、現像して制作する銀塩プリントで高精細な表現が可能。
右側には白いふちの額縁
UV print
UVとは紫外線(Ultra Violet ray)のこと。紫外線を照射することで、瞬時に硬化・乾燥する「UVインキ」を使った印刷手法をUV印刷といいます。通常のオフセット印刷はインキを乾燥させる時間が必要になりますが、UV印刷はインキが瞬間的に乾くため乾燥にかかる時間を必要としません
床に置かれた作品もとてもカッコよかった.
これらの作品は、散った花びらを
道路などの直線で切り取った形状がとても
面白く、自然と人工的なものの融合、共存を
感じた。
これは、布にプリントされた結構大きな作品。
この会場のエスカレーターホールをの空間をジャックして、巨大インスタレーション。
色使いもモノクロで1色にも関わらず、圧倒的な存在感、かつモダン。
私ははじめ、厚手の和紙なのかなあと思ったのですが、布だそうです。
エスカレーターホールは、ローブで固定していました。
こうやってみるとサクラは、樹形に着目しても、
面白い。それも大木であればあるほど、幹の太さと小枝のインパクが力強く、生命力を感じる。
chaoscosmos project
sakura
S_MG_6411
1050 x 1630 mm
UV print
Aluminium foil
Silver foil
Japanese lacquer
Tokyo Japan
2016
chaoscosmos project
sakura
S_MG_6368
1050 x 1630 mm
UV print
Aluminium foil
Silver foil
Japanese lacquer
Tokyo Japan
2016
この作品は奥の奥のまた奥に鎮座しておりました。
アルミ、銀箔、漆が使われていて独特な落ち着いた雰囲気を讃えていました。
今年は、リアル、桜が咲くのが遅く、やっと開花したところ。
満開の桜を見ることは難しそう。
咲いているはかない桜も素敵だけれど、
この展覧会で見た散ったサクラの花びら、
雨や風によって作られた造形、
年に1回きりの散り際、
そこから感じるエネルギー
そして、
葉を落としたサクラの大木の生命力を感じた
展覧会だった。