高野山金剛峯寺 襖絵完成記念
そごう美術館
世界的に活躍する画家、千住博が、画業40年余りの集大成として、障壁画(断崖図)、(瀧図)を世界遺産・高野山金剛峯寺の大主殿に奉納することになりました。
本展では、、襖絵と床の間からなる障壁画44点の完成を記念して、奉納に先駆けて紹介します。
断崖図は、全長16メートル
障壁画(断崖図)
2015年に依頼されてから、約3年間、空海が歩いた道、空海が見た風景、空海が残した書物をたどり、かつてないほど、苦しみ、試行錯誤しながら完成させた。
モノクロで質感がある感じです。
なるほど、近くに寄って見てみると細かい筋が付いていました。
モニターで、作品の制作の様子を上映していました。
下地に胡粉、貝殻の粉末にしたもので一面塗っていました。胡粉というのは美大ではまず一番はじめに習う画材だそうで大きな乳鉢でゴリゴリやっていました。
このゴリゴリが大切なのか、腕の差が出るとっしゃっていました。
絵の具の中で胡粉は粒子が細かくてもっとも美しいそうです。
日本画があっさりしているのはこのような画材を使うからなのかと一人納得。
そしてとても印象的だったのは、1000年前の手法だから、これから1000年は持つとおっしゃっていました。
下地として一面に真っ白な胡粉を和紙は塗ってから70日間ねかせます。
そして、今度は、和紙を荒く揉んでシワを作ります。
崖は和紙のシワに岩絵の具を流して崖の表情を作ります。そしてスプレーをかけます。
どうしてこのシワが、立体感のある崖に変身するのか?マジック!
過酷な状況の和紙のシワの表情の中に崖を見つけ出す。
半分は自分、半分は偶然性を受け入れる。
千住博は、絵画は平面ではないとい言っています。
このモニターを見て作成過程を拝見し、作品に対する想いを知ってからこの作品をみると静かな執念のようなものを感じます。
千住博といえばウォーターフォール、瀧というイメージだったのでこの作品はそうだよね。と思いました。
でも、スケールが違います。
全長25メートルくらいあるのでしょうか?
確か、春、夏、秋、冬の四作。
つまり四角い部屋の4面。
見る人によっては全部同じに見えてしまう人がいるが知れませんが、タイトルと合わせてみるとそれぞれが違います。そしてそうなんだ〜と思ったり。
この制作過程もモニターで見ることができました。
背景の色は、「焼き群青」と言う、群青を真っ黒になるまで焼いた天然の岩絵具を使って、黒ではなく灰色がかった青を出しています。
瀧は、絵に下地として焼き群青色を塗ったものを立てかけて重力によって胡粉(貝殻の粉末でできた天然の白い絵の具)を上から下に流しています。
モニターでは下地は、鮮やかなブルーグレー。
この下地を塗ったものを全て立てかけて(かなり広いスタジオです。)、ここに水を流して、さらにその上に胡粉をといた白い絵の具を流します。
そうする事で、白い色がねじれたりして面白い効果が現れました。
ただ、絵の具を流しただけではねじれた感じはでないと思います。
そしてその上にエアブラシでお化粧をします。エアブラシでを使うことで、水しぶきのようにも見え、遠くから見たときのほわ〜っとした感じがでます。
偶然による自然とのコラボレーション。
そのようなことを知っ上で作品をみるとまた感動が高まります。
龍神 Ⅰ・Ⅱ
2015.ヴェネツィア・ビエンナーレで特別展示された作品
蛍光塗料を使うことで、、明るいところでは白い瀧ですが、真っ暗な中で、ブラックライトを当てると青く輝きます。
昼から夜への変化を表現した幻想的な作品。
この作品のみ撮影可。
とても幻想的な空間でした。
他、初期から現在にいたる代表作30てんがてんしされ、画業40年〜振り返る大規模展でした。
千住博を知ったのは4〜5年前。
軽井沢に草間彌生を見に行った時、空き時間ができたので足を伸ばして行って、大感激をした覚えがあります。
何も先入観なく観たら、日本画ってわからないのではないでしょうか?
まさに
日本の美を極め、世界の美を拓く。
暗い空間ですが、
シーンとした静寂があり、
ピンと背筋を伸ばさなくてはというような緊張感がある中、どこら癒されるような感じがするのは、自然をモチーフにいているからでしょうか?
そごう美術館
3月2日〜4月14日(日)
10:00〜20:00
大人1300円


