ユージンスミスは写真史うえ、もっとも偉大なドキュメンタリー写真家の1人です。
グラフ雑誌「ライフ」を中心に数多くの優れたフォトエッセイを発表して、フォトジャーナリズムの歴史に多大な功績を残しました。
とりわけ日本との関わりが深く、17歳のときニューヨークで偶然であった日系写真家の作品に強い感銘を受け、写真の道を志すきっかけになったこと、太平洋戦争に従軍して、戦争の悲惨で冷酷な現実をカメラで世に伝えんとして自らも沖縄戦で重傷を負ったこと、戦後の日本の経済復興の象徴とも言える巨大企業を取材した「日立」、その経済復興の過程で生じた公害汚染に苦しむ「水俣」の漁民たちに寄り添った取材などがあります。
本展では、アリゾナ大学クリエイティブ写真センターの貴重なヴィンテージ・プリント作品を約150
点展示します。
パンフレットより
本日は関連イベントの、
ユージン・スミスの生きた時代についての講演会との時間と重なり、モニターではありましたがお話を聞くことができて、ユージンスミスがどんな写真家だったのかがよくわかりました。
これは、太平洋戦争に従軍したときのものどろうか?
申し訳なさそうに赤ちゃんを抱く兵士。
この衣服を着ていない赤ちゃんはどこにいたのだろうか?
これはドクターに密着して、
忙しいドクター1日を紹介しています。
馬に、けられた子どもの手当てをしています。
手を尽くしても力が及ばないときがあり、その放失感がよく出ていると思う。
いよいよ手の施しようがなくなくなった時のコーヒーブレイク。やるせない放心状態。、
同じような狙いの助産婦さんシリーズも良かった。
工場の廃液が原因で、食物連鎖が起こり、奇形児が生まれました。
この写真だけで、ここの排水が原因で水俣病が起きたということを訴える写真。
写真による報道ジャーナリズム。
そして、裁判に、
水俣病の患者が出席。
右側の黒い服を着た方々は被告人。
親の憤りが感じられます。
水俣病シリーズは、
見ていて、目を伏せたくなるようなものも多数ありめした。でも、それが現実だと思う本当に恐ろしくなります。
写真で見るインパクトは、
とても強いものがあると思います。
写真はせいぜい小さな声に過ぎないが、ときたま、ほんのときたま、一枚の写真、一組の写真がわれわれの意識を呼び覚ますことができる。
本当にそうだと思います。
ここに展示されているユージンスミスの写真、何枚の写真にはっとさせられたことだか。
楽園の歩み
2人の子供たちが、ユージンの絶望を救う
ニューヨークで発表された有名な一枚
2017.11.25〜2018.01.28
東京都写真美術館
地下展示室
10時〜18時(木-金は20時まで)
休館日 毎週月曜日
観覧料 一般1000円