【いきなり最終頁:4】銀河鉄道の夜のラストに名女優の歌を | 西山夕焼け通信 1970~1979

西山夕焼け通信 1970~1979

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1970年に小学校に入学し、
1979年に中学を卒業した彼らも
すでに60代になった。
これからの人生を
西山の夕焼けのごとく
あざやかに彩るために配信していきます 

最終頁(結末)の朗読から始まり、

「了」のあとに音楽が流れる。

これが「いきなり最終頁」。

小説家がもっとも力を注ぐのが

冒頭、つまり「書き出し」だといわれる。

では結末はどうなのか?

これはあくまでも

わっし(せつ:9組)の私見だが、

さりげなく書きたかったことを

物語に滲ませる作業だと思う。

 

 

宮沢賢治 銀河鉄道の夜

孤独な少年ジョバンニが、

友人カムパネルラと

銀河鉄道の旅をする物語で、

宮沢賢治童話の代表作とされている。

1924年ごろに初稿が執筆され、

晩年の1931年頃まで

推敲が繰り返された後、

1933年の賢治の死後、

草稿の形で遺された。

初出は1934年刊行の

文圃堂版全集である。

 

あらすじ

孤独な少年、ジョバンニは

銀河のお祭りの夜、

母親のために牛乳を取りに出かける。

その途中の丘で

星空を眺めていると

突然、耳に

「銀河ステーション」

とアナウンスが流れ、

気づくと蒸気機関車の

客車に乗っていた。

前には唯一の友達のカンパネルラもいる。

ふたりの少年は銀河をめぐる旅に出た。

 

白鳥の停車場では

大学士が牛の祖先の化石を

発掘している現場を見る。

汽車のなかで声をかけてきたのは、

鳥を捕まえて売る商売をしている人。

ふたりが雁を分けてもらい食べるが、お菓子としか思えない。

 

鷲の停車場で、

青年と姉弟が現れる。

彼らは、乗っていた客船が

氷山に衝突して沈み、

気がつくとここへ来ていたのだという。

かおる子(姉の少女)とは長い会話を交わす。
蠍(さそり)の火を眺めながら、

かおる子は

「やけて死んださそりの火」

のエピソードを話しはじめ、

ジョバンニたちは、黙ってそれを聞く。

三人が下車したあと、

ふたりは

「ほんとうのみんなのさいわい」

のために共に歩もうと誓いを交わす。

その直後、カムパネルラは

「あすこにいるのぼくのお母さんだよ」

といい残し、

いつの間にかいなくなってしまう。
 

一人丘の上で目覚めたジョバンニは

町へ行くと、

「子どもが川に落ちた」

と町の人から聞き、

川辺へ向かう。

同級生から、

カムパネルラは

川に落ちた友達を救った後、

溺れて行方不明になったと聞かされる。

 

最終頁

カムパネルラの父(博士)は

既にカンパネルラのことを

あきらめていた。

博士は、ジョバンニの父から手紙が来た、

もう着く頃だとジョバンニに告げる。

ジョバンニは胸がいっぱいになって、

家に向かって走り出した。

 

歌っているのは田中裕子さん。