ブログ開設記念特別企画、
しゅうじ名作集第3弾
2012年~2013年当時のブログでは
音声ファイルを利用して、
電話で話した音を編集して流していました。
そのなかにノンピ(川崎N:2組:故人)の声が残っていました。
ノンピの声を聴き、
中学の頃のトオル(K林とおる)を思い出しました。
3年生の秋ごろだったと思います。
夏までは、私も、トオルも、クラブ活動に励んでおり、
2学期になりますと、
お互い暇になったのか、
よく遊ぶようになりました。
私の育った環境は、音楽には無縁で、
家に音響機器と言われるものは、
テレビとラジカセと、
技術家庭の授業で桂先生の指導のもと
製作したラジオぐらいしかありませんでした。
トオルの家で初めて
ディープ・パープルやレッド・ツェッペリンを聴き、
「本場のロックというのは、何を言うてるかわからんなぁ」
「矢沢のほうが歌詞の意味がわかりやすいな!」
と当たり前の感想を持つぐらい音楽音痴でしたね。
彼の部屋には、
大きなディープ・パープルのポスターが
貼ってありました。
ある日、トオルの家で遊んでいると、唐突に
「俺な、ノンピか●●に告白しようと思うんや、
しゅうじ、どう思う?」
と言われ、
「こいつ乙中で三本指に入るベッピンに
告るんや、ヒエーー!」
私の心臓は高鳴っていました。
告白するという行為に賛意を求めているのか、
二者択一に対する私の意見を求めているのか、
彼女たちが好意を寄せている男子の情報を
知っているかどうかを聞きたいのか、
そのときは考えも及ばず、
「好きやったら、告白するほうがええんちゃう」
という返答しかできませんでしたね。
トオルは、
「もうちょっと考えるわ」と
言ったきり、1~2週間たち……。
またまた唐突に、
「しゅうじ、俺、ノンピに決めた」
と力強い告白宣言をされ、
私も身が引き締まる思いでおりました。
「決行日は、来週の〇曜日」
「6時間目が終わり、〇〇時〇〇分ごろ、
ノンピは正門から帰るはずや。
そのときに勝負や!」
トオルはあらかじめリサーチをし、
計画をたてました。
さぁ、決行当日、
と思いきや、ノンピの予定に狂いが生じ、
決行時間に正門に現れなかったようでした。
数日後、いざ、告白!
私が緊張した面持ちで彼に結果を聞きますと、
安堵の表情ながらも、
なにか釈然としない様子。
「断られなかったんやろ?」
と聞くと、
「うん、断られへんかったけど……」
数日後、二人で一緒に帰っている姿を見かけ、
「うまくいってるんや」
と私もつい嬉しくなりました。
彼は少しぶっきらぼうですが、
「これをやろう」と決めると、
目標に向かっていう愚直さや、
少しガンコですが、やさしいところもあり、
男らしい方でしたね。