夏の節電のポイントはなんと言ってもエアコンです。エアコンの電力消費量に占める割合は非常に大きいです。エアコンは外が暑くなる程、消費電力が大きくなります。別の記事で、ここ20年程でヒートアイランド化が進んだ原因を書きましたが、その中でエアコンを動かすこと自体が気温を上げていると書きました。
 これは正しくはエアコンの問題だけではなく、電力消費、エネルギー消費全体の問題です。つまり、昨夏の最大出力が6000万kWと言われていますが、これの意味するところは、猛暑日の昼間は6000万kWで関東地方全体を暖めていたことに他なりません。太陽光と空気の動きといった自然現象の影響だけでも十分暑い日に6000万kWで暖めたら、耐えられない暑さになるのは仕方ないですよね。この耐えられない暑さをしのぐためにエアコンを強くするとさらに外が暑くなる、という悪循環が繰り返されていました。

 ではどうしたら良いかというと、自然現象の方は人間にはいかんともしがたいですので、せめて暑い日にはエネルギー消費を減らして、外を暖めないようにしましょう。まず、電力消費を控えましょう。一番効果があるのがエアコンです。28度くらいまでは弱くしましょう。ただ、除湿は使わないで下さい。除湿は冷房以上に電力を使います。

 また、その他の電気製品もできるだけ使用を控えましょう。電力として消費されたエネルギーは最後は全て熱になります。電気を光に変換した結果、例えば、照明やテレビの画像も、一旦光になった後、すぐに熱になります。電気が音に変換した結果、つまり、スピーカーの音も、すぐに熱になります。光、音に限らず、パソコンで処理した情報すら最後は熱になります。電池や光合成のように特殊な方法でエネルギーを貯めるのでない限り、使われたエネルギーはすぐに全て熱になります。熱になった電気エネルギーで気温が上昇し、エアコンの効率を落とします。

 外が少しでも涼しくなれば、冷房の効率は上がります。つまり、エアコンの消費電力を押さえることができるようになります。ですので、エアコン以外の部分もできるだけ節電しましょう。

 また、冬の節電では、電気の代わりにガスを使えば良かったのですが、夏は少し事情が違います。ガスは直接的に熱エネルギーを出しますので、やはり、気温を暖めるのに一役買ってしまいます。ですので、単純に電気の代わりにガスを使うのではなく、エネルギー消費全体を押さえましょう。夏に節電するためには、節電だけではなく真の省エネが必要です。例えば調理にガスをご利用の場合でも、保温調理など熱をあまり使わない方法を利用し、作り置きの再加熱は極力控えるなど、エネルギーを使わないようにしましょう。

 また、よく冗談で、動きが鈍い人が自分のことを「省エネしてる」などと言いますが、実は、これも本当のことだったりします。人の生命活動で消費されるエネルギー、つまり、食物エネルギーも体温という形で熱になり、これも気温を暖めるのに一役買っています。分かりやすい例では、狭い部屋に沢山の人を集めると人いきれで暑くなったりしますよね。人間も結構な熱を出しています。エアロビクス教室から出た熱で発電ができるなどというジョークがあったくらいです。

 自分で動くのが面倒で、車を使ったりもしますが、車で使われるガソリンもそのまま全て熱になります。ですので、暑い日には車もあまり使わない方がいいかもしれません。

 とどのつまり、暑い日には極力動かない、頭も使わない方がいいのですが(人間のエネルギーの20%は脳で消費されているそうです)、なかなかそうもいきませんよね。まあ、暑い日には動き回るのもおっくうですので、体をこわさない程度にのんびりしてみてはいかがでしょうか。夏休みを長期化する会社も多いようです。8月はきっと天気もいいですし、7月程湿度も高くないと思いますので、南国リゾートにいるつもりで、のんびり過ごすのが一番かもしれませんね。