味覚検査をしました | 難聴ブログ もしも願いが叶うなら

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2015年も残りわずかとなり、年内の通院がようやく終わりました。

子供の定期聴力検査と自分の診察も兼ねていたのでギリギリの時期になりましたが、

通院回数が落ち着いたと言えども何度も電車の乗り換えをしながらの移動は疲れます。


今回、自分の診察時に味覚検査をしました。

人工内耳の手術の影響で味覚障害の症状が出てしまったのですが、

思っていた以上になかなか回復が進まず、術後から1年3ヶ月が経過した現在、

口にした食べ物の味が別の味に感じたり、口に含んでもいない別の味が混じったり、

薄いと感じる事も特に無くなったと言える状態になりました。

まだごく一部においては、ささやかに何か変な味が混ざっていると言う

モヤモヤした感覚はあるのですが、ごくわずかな物で、

それも辛いと思えるほどの状態でもありません。

ようやく味わえている、やっと治った!と言う感じがしています。

今では基本的には、普通に味を感じられていると言う感覚です。

が、引っかかる部分がありました。

食べたいなと思って口にしては、残念な味覚で断念していた飴を

そろそろ味わおうと思い、舐めてみたのですが、

症状が出た左側で飴を舐めるとよくわからない。

口にしたら普通に味わえるのですが、左側にするとわからない。

こんなに以前のように普通に詳細に味を感じられていると思えるのに、

食事を口に含めば、口内全体に味が広がり、その味は普通と感じるので

もう特に困る事はないのですけど、どうしてもそこに引っかかりました。


主治医は、人工内耳を両耳装用した方が左右のバランスが良くなったり、

聞こえの更なる向上にも繋がるので、最初から両耳装用を勧めていました。

片方やってみて、ある程度落ち着いたらもう片方も、と言う考えは、

自分の中にもありましたが、味覚障害が出てしまった事で

それ以降、毎日の食事が辛くてそれどころではない状態でした。

常に鉄を舐めているような味、口の中の唾も鉄のような味、

食べ物を食べても、味付けされた物を水で洗い流したような、

水の中に浮かべて食べ物をすくって食べているような薄さ。

何を食べてもミントの歯磨き粉と一緒に食べているような味。

苦い薬を食べているような味。甘味も塩味も薄く、違う味と混じり、

その食べ物の味からは全く別物と思えるような味に変わる。

片側に味覚障害が起きただけでこんなに変わるのかと思うほどでした。

時間が過ぎて行き、少しずつ少しずつ何となくそれらしい味を感じるようになり

ようやく、もう普通においしい!と感じられるようになった時、

この先、もう片側の耳の人工内耳を受けた場合、

最初に受けて出た味覚障害の症状が治っていない状態でまた症状が出たら

両側とも味覚障害の状態になってしまいます。

この症状が出るかどうかは運としか言いようがありません。

そしてやってみないとわかりません。

もう治ったような感覚があって、普通に味を感じられると思っても

飴を舐めた時の引っかかりがあったので、

今、どれくらいの状態にあるのか確かめるために今回味覚検査をしました。


検査で色んな食べ物を左右に分けて、味を感じるか確かめるなんて事は

無いとは思っていましたが、舌にはそれぞれの味覚を司る部位や、

それを感じる味蕾(みらい)と言うものがあります。

そこに反応して濃度みたいなものをチェック出来るような

リトマス紙みたいな特殊な物でもあてて調べたりするのかな、なんて思っていましたが

1つは、ろ紙ディスク法と言う、
主に、味覚の感じ方がどの程度であるかを調べる検査で、

所定の部位に甘い、塩辛い、酸っぱい、苦いの4つの味の溶液を浸した小さな"ろ紙"を置き、

どの味質であるかを答えてもらうもの。

もう1つは、電気味覚検査と言う、主に、味覚を感じる神経の左右差を調べる検査で、

舌の前方、後方、上あごの後方の3カ所の左右を調べます。

理論的には中枢(ちゅうすう:脳)~内耳(ないじ:耳の奥)~

末梢(まっしょう:神経の末端部分)のどの辺りの障害かを

特定することができるとされています。


受けた検査方法は、電気味覚検査です。数分で出来ます。痛みはありません。

かぎ針みたいな電流を流した棒を舌にあてて、酸っぱいか、鉄の味かの

どちらで感じたかを言うものでした。電流は徐々に上げていきます。

舌にあてられた棒が冷たいと言う感触はわかるのですが、

微弱な電流では感じ取れなかったようで、一番強い電流で検査したとの事でしたが、

酸っぱいのか鉄の味なのか、どちらにも感じるしどちらとは言えない感じでわからず。

検査の結果、右側に比べ、左側の味覚はやはり弱いと言う事でした。

既に障害が出て1年3ヶ月が過ぎており、完治するのかどうかを聞きましたが、

このままの状態かも知れないと…。

この状態で、もう片側の人工内耳手術を受けてまた症状が出た時は、

最初に受けた時よりも、残っている片側の味覚が弱いため、

もっと落ちるだろうとの事でした。

もし受けて症状が出ても、その時も同じくらい芳しくないとは限らないし、

症状が出ないで済む可能性ももちろんありますが、

片耳装用で、今のもう普通と感じる味覚を維持していくか、

症状が出る可能性があっても両耳で聞こえる可能性を追求するか、本当に「賭け」だなと。


最初で症状が出るか、後で出るか、どちらにしても症状が出ると言う事は苦しいですが、

この味覚障害の症状が出ていなければ、どんな音で聞こえるんだろうと言う事に集中して

もっと楽しみを持っていただろうとは思います。

可能ならもう片側もやろうともっと楽に思えたと思います。

今現在は、普通に味わえる状態になったと言えるので、

検査結果には全くと言って良いほど、落ち込んでもショックを受けてもいません。

ただ、この先、次をやる決断をして挑む日が来たなら、勝ちたいな。