美術予備校での指導と絵画・グッズ制作


鉛筆学生時代のデッサン

 今見ると楕円がおかしい…笑

 厳しく指導しなくては笑い泣き



現在、私は地方の美術予備校でしがない講師をしています。


美術予備校とは、美大・芸大受験を目指す中学生や高校生に向けて実技試験の対策を行う予備校です。


私が担当している日本画専攻では「着彩」と呼ばれる水彩絵具を用いたデッサンが試験課題となることが主流です。


私は美術予備校出身ではなく、地方のさらに僻地の美術系高校で実技を学び、そのまま進学しました。


そのため、予備校独特の考え方や受験の流行については今でも学ぶことばかりです。


特に画材や道具の情報は年々変化するため、他の先生方のお話を聞いたり、受験作品を見たりしながら勉強を続けています。


また、地方で指導をしていると都市部とは異なる事情を抱えた生徒たちに出会うことも少なくありません。


経済的な理由や通学距離の問題から、十分に予備校へ通うことや必要な画材を揃えることが難しい場合も非常に多いのが現状です。


本当なら純粋な技術や表現についてだけを教えたいのですが、現実にはそうもいきません。


合格のために役立つ画材や道具を知っていても、それを気軽に勧めることが出来ません。


一人ひとりの環境・状況を考えながら、その中で何ができるかを一緒に考えていく必要があります。


そんな時、自分の力不足や歯がゆい気持ちを強く感じます。


それでも、可能な限り本当に大切なことを伝えるようにしています。


よく観察すること。

形や色の美しさに感動すること。
そして、自分なりの視点で対象を見ること。


そうした積み重ねは受験のためだけでなく、その先も絵を描き続けるための力になるはずです。


そして私は、生徒たちに「受験の先」にある世界も知ってほしいと思っています。


絵を学んだ先には美大や芸大への進学だけではなく、作品を発表したり、誰かに絵を届けたり、グッズを作ったり、それ以外にもさまざまな形があります。


絵を仕事にすることは決して簡単ではありません。


正直なところ、ほとんどの人が絵を描くことを辞めてしまいます。


それでも、自分の好きなものを作り続けながら、自分なりの楽しみ方や生き方を見つけることはできると思うのです。


講師として生徒たちと向き合う時間は、私自身の制作にも大きな影響を与えてくれています。


生徒たちの素直な発見や、ものを見る真剣な眼差しにこちらが気づかされることも少なくありません。


そして教室を離れると、私は猫や花、尾道の風景など、自分の好きなものを自由に描いています。


受験のために描く絵と、自分のために描く絵。


目的は違っていても、その根っこには「描くことが好き」という気持ちがあります。


私が制作しているシールやポストカード、雑貨などのアートグッズも、そんな日々の制作の中から生まれています。


慌ただしい毎日の中で、ふと目にしたときに少し気持ちが和らいだり、思わず笑顔になったり、そんな小さな彩りをお届けできたら嬉しく思います。


いつか生徒たちにも「絵を描くことが好き」という気持ちを大切にしながら、自分なりの道を見つけてほしい。


そして、絵を通して誰かを喜ばせたり、自分自身の人生を豊かにしたりできることを知ってほしいと思っています。


作品やグッズを通して絵を描く楽しさや、身近なものの美しさを感じていただけましたら幸いです。